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NBA、2019年組は豊作世代だった?
八村、ザイオンらルーキーの通信簿。 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byJoe Murphy/NBAE via Getty Images

posted2020/08/12 20:00

NBA、2019年組は豊作世代だった?八村、ザイオンらルーキーの通信簿。<Number Web> photograph by Joe Murphy/NBAE via Getty Images

新人王の本命とされるジャ・モラント(グリズリーズ)。華奢な体つきだが、驚異的なスピードと跳躍力ですでにチームの核を担う。

大きなプレッシャーを背負った八村。

八村塁(ワシントン・ウィザーズ)
48戦 13.5得点(FG成功率46.6%、3P 28.7%) 6.1リバウンド

 日本の期待を背負ったルーキーは、1年を通じてまずは及第点と言っていいプレーを継続した。開幕からスタメンを張り、平均リバウンドは規定に到達した新人の中では1位。オフェンス面でもミドルレンジのジャンプシュートを武器に、ブラッドリー・ビール、ダビス・ベルターンスに次ぐチーム内3位の平均得点を残した。

 シーズン中の故障で23戦を欠場したこと、ウィリアムソンのような莫大なインパクトがなかったこと、チームが大きく負け越したことなどを考慮すれば、ハイレベルの新人王争いでトップ3に残れなかったのは仕方ない。新人ランキングを作れば、八村をブランドン・クラーク(メンフィス・グリズリーズ)、コービー・ホワイト(シカゴ・ブルズ)よりも下に据える関係者もいるかもしれない。

 ただ、日本のパイオニア的な存在として、おそらくはウィリアムソン以上とも思える莫大なプレッシャーを背負いながら、スコット・ブルックスHCを感心させるほどのコンスタントな働きを続けたことは特筆されるべきだ。課題とされたロングジャンパー、ディフェンスも少しずつ向上中。シーディングゲームでも様々な形で成長を感じさせており、来季以降のさらなる飛躍が楽しみでもある。

ルーキーとしては極めて上質な「数字」。

ブランドン・クラーク(メンフィス・グリズリーズ)
57戦 平均12.1得点(FG成功率62.1%、3P 37.1%) 5.9リバウンド

 八村塁のカレッジ時代のチームメイトとしても知られるクラークは、モラント同様、躍進のチームで重要な役目を果たした。60%を超えるFG成功率、35%以上の3P成功率はルーキーとしては極めて上質。爆発的な身体能力を利したプレーでグリズリーズに勢いをつけるシーンも頻繁で、モラント、ジャレン・ジャクソン・ジュニアとともにチームの将来を担う存在と目されるようになった。

 ホワイト、RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)、タイラー・ヒーロー(マイアミ・ヒート)、エリック・パスカル(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ディアンドレ・ハンター(アトランタ・ホークス)など、クラークと同等かそれ以上の数字を残したルーキーは他にもいる。それでもチームに及ぼした好影響と貢献度では、クラークはナン、八村をも上回るという指摘もあることは記しておきたい。

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