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自粛で練習が減ったら球速アップ?
この夏、高校野球で起きている事。
posted2020/07/26 09:00
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
Hideki Sugiyama
新型コロナウイルスはなかなか収束を見せないが、スポーツ界は徐々に活動が再開され始めた。プロ野球・Jリーグの2大プロスポーツが先駆けとなり、アマチュアスポーツも少しずつ活気を取り戻しつつある。
野球界も「withコロナ」の生活様式を進めている。プロ野球の取材をしていても、変化を如実に感じる場面がある。
プロ野球のパ・リーグを2連覇している西武は、ホームでの同一カード6連戦の最後の日、試合前のシートノックを行わなかった。またパ・リーグの首位・楽天は、中軸を担う3選手、浅村栄斗、ブラッシュ、ロメロの負担を休養日やDH起用で軽減しながら、チームをうまく循環させている。
そして彼らは、試合でハイパフォーマンスを発揮している。チームが好調なのもうなずける。
この流れは楽天だけでなく、怪我の多い今宮健太を温存しながら起用するソフトバンク、中村剛也をフレキシブルに指名打者で起用する西武なども共通だ。
投手の継投も同じで、特定のリリーバーに負担をかけすぎないための配慮が加速している。
7イニング制のような新しい試みが。
アマチュアの高校野球では甲子園が中止になったものの、各地区の独自大会が高野連抜きで行われている。日程は緩やかになり、大会の方式も各自治体の高野連が決定権を持っている。2018年、新潟県の高野連が球数制限を実施すると発表した際、除名も辞さない勢いだったことがまるで嘘のように自由な大会となっている。
京都府の独自大会では7イニング制を採用。かつてマリナーズの菊池雄星も、「球数制限の代案」として7イニング制を提案していたことがある。「観ている方は面白い」という声も聞こえるが、京都府の試みが今後どう検証されていくか楽しみだ。