サムライブルーの原材料BACK NUMBER
あと一歩まで導いた関塚隆に聞く。
「東京五輪でメダル」に必要なこと。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images
posted2020/06/01 11:40
ロンドン五輪準決勝・メキシコ戦で先制点を挙げた大津は関塚監督のもとに駆け寄った。チームの結束は固かった。
リカバリーが最も大事だった。
――中2日で続く試合の調整は実際どうだったのでしょうか?
「疲れを取ってコンディションをどう戻せるか。移動も続きましたから正直、リカバリーのところが最も大事でした。試合に出ている選手もそうですけど、実際に一番きつかったのはサブのメンバーだったと思います。全体で18人しかいないし、ケガ人もいる。サブのメンバーだけだと少人数の限られたトレーニングしかできない。ここが凄く難しい部分ではありましたね」
――第3戦のホンジュラス戦では先発を5人入れ替えましたが、準々決勝のエジプト戦はスペイン戦と同じメンバーで戦って3-0と快勝します。
「エジプトにはトゥーロン国際で負けていて、OAも加わって強いチームだなという印象はありました。次のメキシコ戦を含めて、メンバーのところは思い切って何人か入れ替えるという選択肢もあるかもしれません。ただそこは時間の配分で選手たちのコンディションを調整できればという考えでした」
したたかさとバリエーション。
――そして決勝進出の懸かったメキシコ戦。先制しながらも3失点を喫して敗れました。強化試合のときとは打って変わって、ディフェンシブなスタイルで日本に対峙してきたのが印象的でした。
「メキシコはしたたかでしたよね。メンバーを流動的にして、短期決戦において戦い方を変化させながら戦うことのできるチームでした。誰と誰が組んでもお互いのストロングを活かし、ウイークをフォローしあう。結果については移動を続けてきた我々と違って、準々決勝からロンドンで戦えたという点も少なからず影響はあったかなとは思います」
――3位決定戦で戦った韓国も、ピッチ状態が悪いこともあってボールを蹴って勝負に徹してきました。結果的に0-2で銅メダルを持ち帰ることはできませんでした。メダルに届くためには何が足りなかったと?
「したたかにプレーするというところ、もっとバリエーションがあればというところはあったかなと思います。選手の個性を組み合わせて、メキシコのようにどんな戦い方でもお互いのストロングを活かし、ウイークをフォローしあうような」