プロ野球亭日乗BACK NUMBER
プロ野球「6月19日開幕」なるか?
実現に向けたロードマップを探る。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/05/11 20:25
昨年のプロ野球開幕戦、マツダスタジアムでの広島対巨人の様子。早くこのようにファンが詰めかけられる状況に戻って欲しい。
“自粛生活”表明の社会的な意義。
「何度も開幕の日付が決まらないということは、我々も残念に思いますし、選手やファンの方々にも大変心苦しい思いであります」
こう語る斉藤コミッショナーの言葉通りに、確かに出口の見えないままに、また数週間を過ごすことへの不安は選手や関係者だけでなくファンの間でも重いものがある。
ただ、その一方で非常事態宣言が延長された中で、ゴールデンウイーク明けには、自粛への我慢疲れを指摘する声もある。ここでもし具体的に早期のプロ野球開幕の日取りが決まれば、そうした緩みをさらに助長することにも繋がりかねない。
その点では球界が踏ん張って、あえて開幕日を決めずに“自粛生活”を続けることを表明したことには社会的な意義があったのではないだろうか。
ただ、この決断の裏ではリスタートに向けた準備も粛々と水面下で進められることになる。
開幕後の日本独自のルール作成は必要。
1つは開幕後に向けた様々なガイドラインの作成だ。
「再開に向けて緊急事態宣言が段階的に解除されても、ゼロリスクにならない中でどうしていくか。例えば再開後、チームに感染者が出た場合どうするかなどを、いまの時期に考えておく必要もあります」
こう賀来議長が指摘するように、開幕後の日本独自のルール作成は必要だ。
また、たとえ開幕日が決まったとしても、開幕に向けて試合カンを取り戻すためには必須となる練習試合を通常通りに各地でやるのか、それとも移動リスクを軽減するために1箇所で集まって何試合かをこなすのか?
また、開幕後のチームの移動をどうするのか?
選手や関係者に罹患者が出た場合にはリーグを中止するのか、それとも中断して新たなリスタートを模索するのか……。
すでに開幕している台湾、韓国のプロ野球を参考にしながら、様々なケースを想定した基本方針の策定にも取りかかっている。