プロ野球亭日乗BACK NUMBER
このままではスポーツが死ぬ……。
「コロナ野球くじ」の早急な導入を。
posted2020/05/11 11:50
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が5月末まで延長され、プロ野球の開幕は依然として先行きが全く見えない状況が続いている。
交流戦の中止が決定し、現状では試合数は最大で125試合。最短なら交流戦明けのリスタートが予定されていた6月19日に開幕する案なども出ているようだが、それでも通常開催は不可能だ。
すでに4月23日の12球団代表者会議後に日本野球機構(NPB)の斉藤惇コミッショナーが「最初のうちは無観客で開かざるを得ないだろう」と語ったように、しばらくは無観客での試合が続くことになる。
他のスポーツに比べると親会社の規模が大きく、経営面で安定しているプロ野球も、すでにコロナ禍での経済的なダメージはかなり大きなものとなっている。
自前の球場を持たない球団は特に苦しい。
交流戦の中止ですでに各球団は主催試合の9試合減が決定。一般的には1試合の開催で入場料や球場でのグッズ、飲食の販売、放映権料など合わせて約1億円の収益があると言われているので、これだけですでに9億円の減収が確定することになる。
これからさらに試合数が減少し、しかも無観客での開催となると、基本的な収益を放映権料のみに頼る構造となって、更なる大減収が確実だ。
特に自前の球場を持たない巨人やヤクルト、日本ハムなどの球団は、無観客試合となれば入場料収入等がないのに球場使用料だけがかかり、経済的なダメージはより大きなものとなってしまう。
このままいけば選手の年俸総額(12球団平均で約30億円)もカバーできずに、赤字へのスパイラル転落が必至の状況となっているのである。