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このままではスポーツが死ぬ……。
「コロナ野球くじ」の早急な導入を。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2020/05/11 11:50

このままではスポーツが死ぬ……。「コロナ野球くじ」の早急な導入を。<Number Web> photograph by KYODO

プロ野球が開幕してもしばらくは無観客開催が予想される。それでもテレビなどで見たい人は多いだろう。

使用目的は基本的にコロナウイルス対策に限定。

 ここでまず「野球くじ」とは一体どういうものなのかを説明しておこう。

 ベースとなるのは「スポーツ振興くじ」で、運営主体は文部科学省が指導監督している独立行政法人日本スポーツ振興センターだ。このくじの収益は一般の人がスポーツをやる環境の整備からトップアスリートの支援などスポーツ振興に充てることを目的としている。

 売上金の使い道の内訳としては全体の半分は「当選金」としてくじが当たった人に分配する。残り半分から経費等を差し引いたものが収益となり、その4分の1が国庫に納められて、残りの4分の3がスポーツ振興の助成金として使用される。

 具体的には地方公共団体やスポーツ競技団体などの事業の助成などに使われることになる。ちなみに'18年度の売り上げは約948億円で'20年度の助成金の総額は166億7000万円となっている。

 現在はJリーグを対象とした「サッカーくじ」だけが行われているが、これを野球に広げようという訳だ。大事なのは「コロナ野球くじ」として、使用目的を基本的にはコロナウイルス対策に限定するということだ。

様々なスポーツ関連団体にも振り分ける。

 例えば収益の4分の1が配分されていた国庫納入分はワクチン開発や医療機関、医療関係者への支援に充てる。

 残りの4分の3の収益金の一定額をNPBが受け取り12球団に分配すると同時に女子野球や独立リーグなど野球関連の事業のコロナ対策に使えるようにする。そして残りをスポーツ関連団体のコロナ対策資金として振り分ける。

 もちろん過去に「黒い霧事件」などの八百長問題を抱えるプロ野球界が、野球を「賭博」の対象とすることに抵抗感を拭えないのは当然といえば当然のことではある。

 ただ、その点でも「サッカーくじ」では非予想型でコンピューター予想による「BIG」が売り上げの中心になっていることから、同じように非予想型のくじを導入すれば、八百長のリスクをある程度回避した上で、くじとしての魅力を維持して売り上げを伸ばすことも可能だ。

【次ページ】 億単位の“夢”を売ることもできる。

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