サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ハリル電撃解任からちょうど2年。
森保Jへのサポートは十分なのか。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byNanae Suzuki
posted2020/04/09 20:00
ハリルホジッチ監督はロシアW杯直前のタイミングで解任された。その衝撃は2年後の今も残っている。
「代える」「代えない」のリスク。
“ドーハの悲劇”を知る51歳の指揮官が、絶えず批判にさらされているのはなぜか。指導力や戦術といったものよりも大きな理由は、目標がこれまでよりも高いからである。
カタールW杯では、前回以上の成績をターゲットとする。少なくともベスト8、ということだ。東京五輪では、金メダル獲得を目ざすと明言している。
ふたつの目標から逆算すると、チームの現在地には客観的に不満がある。アジアで不甲斐ない戦いを演じたりすれば、解任論の補強材料は増えていくばかりである。
かりに世界的な実績を持つ外国人監督が指揮していても、目標と結果に乖離があれば周囲はざわつく。そして、突き詰めれば誰が代表監督でも、「代えるリスク」と「代えないリスク」は付きまとう。
だとすれば、代えるか、代えないかを見極めるサッカー協会も、代表監督と同じ責任を負うべきだ。監督を選ぶだけではなく現場と同じ熱量で結果を受け止め、自らに責任を問うことが、サポートの要諦だからである。