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ハリル電撃解任からちょうど2年。
森保Jへのサポートは十分なのか。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byNanae Suzuki

posted2020/04/09 20:00

ハリル電撃解任からちょうど2年。森保Jへのサポートは十分なのか。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

ハリルホジッチ監督はロシアW杯直前のタイミングで解任された。その衝撃は2年後の今も残っている。

なぜW杯開幕2カ月前だったのか。

 ハリルホジッチ監督の日本代表は3月下旬にベルギーへ遠征し、マリと引き分け、ウクライナに1対2で敗れていた。

 サッカー協会の田嶋幸三会長は「ウクライナ戦の後、選手との信頼関係やコミュニケーションが十分に取れるような状況でなくなった」ことを重視し、強化に携わってきた西野朗技術委員長をスライドさせた。

 交代のタイミングは、それまでにもあった。'17年8月のオーストラリア戦でロシアW杯出場を決めて以降は、テストマッチの成績が振るわなかった。12月にはともに欧州組不在で対戦した韓国に、1対4で惨敗していた。

 なぜ4月のタイミングなのか。遅きに失しているとの指摘は、田嶋会長にも届いていた。「私たちは数試合の勝ち負けや世論の動向で監督交代を判断するつもりは毛頭なく、これまで厳しい局面でも総合的に判断してきた」と説明した。「これまでも万が一の事態を想定し、つねに監督を代えることのリスク、代えないことのリスクの両方を測りながらチーム強化に取り組んできた」とも語った。

技術委員長が監督になる歪みも。

 監督の仕事を評価してきた技術委員長が、自ら監督となる歪みについては、「現在のチームをもっとも知る」ということが理由になった。「オールジャパン(日本人スタッフ)で英知を結集させる」との田嶋会長の言葉には、日本人同士なのでコミュニケーションに不安がなく、時間の短さを解消できるとの見通しがうかがえた。

 ロシアW杯でのベスト16進出と、ベルギー戦の忘れがたい攻防により、監督交代は結果として成功した。「たとえ1パーセントでも2パーセントでもW杯で飛躍できる可能性にかける」という田嶋会長の判断は、チームを好転させたものとして受け止められた。

 ハリルホジッチ監督の指揮下でも、同じ成績を残せたかもしれない。監督交代があと少し早ければ、ベルギーに勝てたかもしれない。

 決断のタイミングとして、'18年4月は明らかに遅い。

【次ページ】 W杯本番の結果で批判を免れた。

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