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「ミランが北朝鮮だったとはな!」
解任ボバンが古巣に毒を吐いた理由。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2020/04/01 07:00

「ミランが北朝鮮だったとはな!」解任ボバンが古巣に毒を吐いた理由。<Number Web> photograph by Getty Images

現役時代はミランのゲームメーカーだったボバン。ミランとのケンカ別れは当時を知るファンとしては悲しい。

「リバプールのように」9年待て?

 もちろん、ラングニックの代理人もガジディスも表向きは接触を否定しているが、ボバン解任と前後して現地紙上では「ラングニックとエリオット社はすでに3年契約で合意済み」と、まことしやかに報道されている。

 口だけで笑うCEOは、ミラニスタに向かって「私の夢は皆さんと同じですよ」と言う。

「リバプールをご覧なさい。彼らも今のミランと同じようにコストに潰され、苦境の9年間を過ごした。道を探り、ついに彼らは欧州の頂点に返り咲くという再建を成し遂げた」

 ということは、少なくとも9年待て、ということか。ミラニスタたちは待てるだろうか。

 公式記録として2012年に9年ぶりのスクデットをユベントスにもたらした監督アントニオ・コンテ(現インテル)や、長く残留と降格を繰り返すエレベーター・クラブだったアタランタをCL初出場とベスト8に導いたジャンピエロ・ガスペリーニが、ともに極めて優れた指導者であることは疑いない。

 ただ、彼らのサッカーが花開き、結実した要因のひとつとして、アニェッリ一族とペルカッシ・ファミリーという理解と辛抱のある経営者に恵まれたことは忘れるべきではないだろう。

 革新的なスタイルと指導法を持ち込んでくる新監督、しかもそれが外国人であればなおさら、招聘を決めた経営者は自らの責任と忍耐をもってそれをサポートするべきだ。

 その覚悟はあるのか――。

 ボバンが自らの進退をかけて訴えたかったのは、そういうことだったのだろうと思う。

「5月のセリエ再開は非現実的だ」

 3月28日、イタリア共和国スポーツ省のスパダフォラ大臣は「5月3日のセリエA再開は非現実的だ。社会生活全般がもはや以前のようには戻れないということをセリエAのクラブは未だに理解していない」と、リーグ戦再開に強い反対姿勢を見せた。

 併せて、これまで一部認容してきたアスリートの練習についても東京五輪延期を受け、4月中の制限を強化する方向であることも示唆している。

【次ページ】 クラブ愛ゆえのボバンの苦言。

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