沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER

藤田菜七子、99勝目が初JRA重賞。
現在全国26位、トップテンも視野?
 

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

PROFILE

photograph byKyodo News

posted2019/12/10 20:00

藤田菜七子、99勝目が初JRA重賞。現在全国26位、トップテンも視野?<Number Web> photograph by Kyodo News

斤量優遇のない重賞での勝利は完全な藤田菜七子の実力である。条件戦では外せない騎手になる可能性もある。

藤田菜七子の3キロ減は強い。

 この夏、札幌で行われたワールドオールスタージョッキーズで藤田らと腕を競ったフランスの美人騎手、ミカエル・ミシェルも、'18年の年頭にカーニュシュルメール競馬場で、フランスの近代競馬史上初となる女性騎手による開催リーディングを獲得した。

 そのときの2位がマキシム・ギュイヨン、3位がクリストフ・スミヨンという、日本でもおなじみの名手だったことも、記録の価値を高めることになった。

 フランスでは'17年から女性騎手は、重賞、リステッド、ハンデ戦を除くレースで2キロ減で乗れるようになった('18年3月から1.5キロ減に変更されている)。

 日本でも、今年3月から減量ルールが変わり、今の藤田が当てはまる、通算51勝以上100勝以下の女性騎手は、特別レースとハンデ戦以外では▲の3キロ減で乗れるようになった。

 藤田は、旧ルールだった'18年12月に通算51勝目を挙げて☆の1キロ減になっていたのだが、すぐにまた大きなアドバンテージを得ることになったわけだ。あと2勝して通算101勝になれば見習騎手ではなくなるのだが、女性騎手は何勝しても◇の2キロ減で乗ることができる。

リーディングのトップテンも……。

 この新ルールは藤田がたくさん勝つようになる前から検討されていたものだが、たまたま彼女の活躍とタイミングが重なったため「菜七子ルール」と呼ばれたこともあった。

 1キロの斤量差は、ゴールでは1馬身の差になると言われており、下級条件の馬ほど、斤量によって差が出やすい。

 男性のトップジョッキーと変わらぬ手綱さばきで重賞を勝つようになった彼女が、これからも斤量面のアドバンテージを得られるのだから、リーディングトップテンどころか、もっと上に「藤田菜七子」の名が出てくるようになる日も、そう遠くないかもしれない。

BACK 1 2 3
藤田菜七子
コパノキッキング

競馬の前後の記事

ページトップ