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サニブラウンの“ライバル”が来日。
箱根駅伝「タスキ」から学んだこと。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKeigo Amemiya
posted2019/12/10 08:00
米国オリンピック・パラリンピック委員会による東京2020に向けた「Thank you,Japan」プロジェクトのため来日したノーマン(中央)
2泊3日、滞在時間は72時間。
金栗四三らが発案した「アメリカ大陸横断駅伝」の選考会として始まったのが箱根駅伝。だが、アメリカ人のノーマンがタスキの受け渡しをすることはおそらく金輪際ない。
2泊3日、滞在時間は72時間ほどという弾丸スケジュールで、駅伝を学ぶことにどれほどの意味があるのか。
実は今回のイベントは米国オリンピック・パラリンピック委員会が行なっている東京2020に向けた「Thank you, Japan」プロジェクトの一環だった。
米国チームのホストタウンは世田谷区。
ノーマンは中大を訪れる前日には米国チームのホストタウンとなる世田谷区の陸上競技場の開所式に出席していた。
10月には車いすラグビーの米国代表選手が世田谷区内の商店街を訪れ、アクセシビリティに関する視察やシンポジウムなども行っている。
それらの主旨はこの日、ノーマンが語ったように、「大勢の方々に会うことでチームUSAのファンを増やして、みんなで応援し合う関係を作りたい」ということにある。
日本を代表するカルチャーと言えばマンガも挙げられる。今後はジュニアスポーツ教室などに加え、日本の漫画家に米国代表の選手をイラスト化してもらって、SNSで発信していくことも考えているという。
同様の取り組みがリオや平昌でも実施されてきたという。
その土地の文化を知り、交流を重ね、応援を受ける。そのことの重要性は、選手団を迎え入れる側として今年のラグビーW杯を経験した日本人なら理解できるはずだ。応援は力になる。
これまで五輪の日本選手団はいかに現地に日本と同じ環境を作るかに腐心してきたし、東京五輪に至っては地元開催とあって溶け込む努力をする必要もない訳だが、米国のこうした活動には見習うべき点もあるかもしれない。