オリンピックPRESSBACK NUMBER
サニブラウンの“ライバル”が来日。
箱根駅伝「タスキ」から学んだこと。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKeigo Amemiya
posted2019/12/10 08:00
米国オリンピック・パラリンピック委員会による東京2020に向けた「Thank you,Japan」プロジェクトのため来日したノーマン(中央)
「個人の努力がチームとしての結晶になる」
実際にタスキリレーにもチャレンジした。
中大では左肩からタスキを懸けるのが伝統で、その理由は「心(左胸にある)に対して、斜めにタスキをかけることで『必』という字になるから」だという。
必ずタスキをつなぐ、チームの目標を達成するという意味が込められているのだ。
漢字の分からないノーマンには少し理解するのが難しかったかもしれないが、「個人で勝てなくてもチームで目標を達成すればそれが勝利」という説明には深くうなずいた。
「すごく楽しかった。個人ではなく、チームでやるものなんだと感じた。リレーとも通じる部分がある。毎日の個人の努力がチームとしての結晶になるという点がね」
羽が生えたかのように軽やか。
終始にこやかではきはきとしゃべる。
アメリカンヒーローらしい爽やかさと明るさを備え、タスキリレーの軽いジョグでも世界トップレベルのスプリンターの185cmの肉体は、羽が生えたかのように軽やかに浮き上がる。
ノーマンと同じ400mを専門とし、北海道栄高時代にインターハイ男子400mを連覇した森周志(1年)は、大感激していた。
「体がデカくてびっくりした。テレビで見て大きいのは知っていたけど、ちょっと走っただけですごく進む。オーラがあってカッコよかった。いつか世界選手権の決勝の舞台に一緒に立ちたい」
彼だけでなくイベント終了後は他の学生たちも列をなしてセルフィー。それにもまた嫌な顔一つせずに応え、ノーマンはキャンパスを後にした。
イベントとしては上々。とはいえ、単純に疑問に思うところもある。