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原口元気が代表から持ち帰った宿題。
「結果が出せない選手は入れ替わる」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2019/11/30 11:30

原口元気が代表から持ち帰った宿題。「結果が出せない選手は入れ替わる」<Number Web> photograph by AFLO

ハノーファー移籍後初ゴールを決めた原口元気。チームは敗れるも、自身の成長のために前を向く。

代表強化のために競争は不可欠。

 キルギス戦で結果を残した意味は小さくなかった。

 というのも森保一監督が就任してから、大幅にメンバーを入れ替えて臨む親善試合をのぞいて、MFのポジションは中島翔哉がファーストチョイスとして固定されてきた。中島がいない場合は原口が起用される、というケースが多かった。

 そのため、原口はきちんと目に見える結果を残す必要があった。それは中島と原口のどちらがレギュラーにふさわしいのかという小さな問題ではない。そもそも中島はトップ下で起用される可能性もあるし、原口が右MFに回る可能性もある。

 それよりも、原口が全力で戦って目に見える結果を残すことは、彼個人の代表での役割や存在価値を高めるだけではなく、日本代表の強化にもつながる。健全な競争がないチームは落ちるだけ。それぞれのポジションで、選手たちがしのぎを削ることがレベルアップにつながるのだ。

 特に、戦術面以上にチーム内のマネージメントに特徴がある森保監督が率いるチームでは、それが大切になってくる。

ベネズエラ戦の責任を感じる原口。

 ただ、キルギス戦の勢いを持ち込みたかった11月19日のベネズエラ戦では、一転して辛酸をなめることになってしまった。

 キルギスとのアウェーゲームを終えて、ヨーロッパでプレーする選手の大半は所属クラブに戻った。一方、原口はそのままチームと行動をともにして、ベネズエラ戦でも左MFで先発した。だが、前半で4失点。1-4という惨憺たる結果に終わった。

 試合後、原口は語った。

「あれだけやられると自分たちの気持ちを保つのは難しくなってくるし、むこうは楽しくなっていく。それでも踏ん張ってやるというのはかなり強いメンタリティが必要で。そこに関しては最後まで保てたけど、一方で、プレーのクオリティーの部分でチームを引っ張ることが出来ていたかといったら……」

 5日前に手応えを得ていたからこそ、この試合で味わった失望と、責任の重さを痛感せずにはいられなかった。

「偉そうに言いたくはないし、今日の試合は最初から出ていた俺にも十分に責任がある。こういうときに結果を出せない選手は、オレも含めて入れ替わっていくものだから……。ただ、本当に厳しい試合は最終予選だったり、これから来ると思うので。そこに向けてもう1回、自分の定位置を奪い取っていけるようにしないと。そのためにはまず、自分のチームで頑張らないといけないから」

【次ページ】 帰国後すぐスタメン。それもボランチ。

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