帰国後すぐスタメン。それもボランチ。

　原口が代表で離れている間に、ハノーファーはケナン・コカック新監督を迎え入れた。Aマッチウィークの2試合目が日本で行われると、直後のリーグ戦ではベンチで試合開始のホイッスルを聞く日本人選手も多い。

　ただ新監督のもとでも、代表戦を終えたばかりの原口はいきなり先発に名を連ねた。そして、ゴールを決めた。ボランチという慣れないポジションながら、シュート数、ドリブル数ともに両チーム最多を記録した。

　ベネズエラ戦のあとに語っていた「クオリティーの部分でチームを引っ張る」という課題を克服しようとする意図が、そのひとつひとつのプレーには詰まっていた。

　とはいえ、チームはカウンターと相手のFKからの素早いリスタートに対応できず、1－2で敗戦。気がつけば、ドイツ3部との入れ替え戦に回る16位にまで順位を落としてしまった。

　しかしそんなときだからこそ、原口は自分のクオリティーを上げていくことに取り組まないといけない。日常のプレーのレベルを上げる。いま出来る唯一のことから、前に進んでいかなければならないのだ。