炎の一筆入魂BACK NUMBER
再建カープの秋季キャンプ。
野間峻祥の長打力は目覚めるか。
posted2019/11/26 18:00
text by
前原淳Jun Maehara
photograph by
Nanae Suzuki
11月25日の選手会納会を終え、広島ナインは本格的なオフを迎えた。
長丁場のシーズンを戦い抜いた選手にとっては束の間の休息であり、自分自身と向き合う自主トレ期間。オフは大きく成長するチャンスであると同時に、方向性を間違えば軌道修正が難しくなる重要な時間でもある。オフの方向性を定める道しるべとなるのが、秋季キャンプ。
日本一となったソフトバンクは和田毅や千賀滉大、中村晃というベテランやレギュラークラスも参加していたが、広島は大胆に若手に舵を切った。高卒1年目6選手(中神拓都は途中参加)をはじめ、高卒2年目も育成選手を含め55選手など、実績のない選手が多く集まった。
若手の底上げを掲げた中で、存在感を見せつけたのは、堂林翔太に次ぐ参加野手年長選手の野間峻祥だった。
秋季キャンプで7試合行われた紅白戦初戦で、右翼スタンド後方のブルペンの壁を直撃する特大弾。最後の紅白戦でも一発を放った。佐々岡真司新監督は20日の打ち上げ時に「打撃で格の違うところを見せてくれた。野間はもともと打てばレギュラー」とたたえたという。
手応えを感じた「球を長く見る」感覚。
今秋、野間は大きなきっかけをつかんだ。
1つはフォーム改造にある。
シーズン中から試行錯誤してきたものの、大きく変えるチャレンジはできなかった。シーズン終了とともにバットを後頭部のうしろに倒して構えるフォームにモデルチェンジ。西武の秋山翔吾やチームメート西川龍馬を参考にした。
狙いは「球を長く見る」ことにある。
これまでは体の中心に重心を保っていたが、ときに上体が突っ込むこともあった。投球を見る角度がより小さくなるよう、投球との距離をとるように工夫。やや上体が傾いても軸足に重心を残すようにした。加えて、バッターボックスに立つ位置も、左足を捕手側のライン上に置くように変えたことで、「球を長く見る」感覚を得た。
シーズン終了後に現フォーム変更を打診していた朝山東洋一軍打撃コーチは「いい感じで振れている。あとは小さくまとまらないように。十分長打を狙える打撃も目指してもらいたい」とキャンプ中の変化に満足感を得ていた。
もちろん、本人も。「練習からいい感じで振れていた。(実戦でも)練習でやってきた感覚でできたことは良かった。これまでやって来たことが無駄じゃなかったと思える」。確かな手応えを得て、オフシーズンに入っていった。