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プロ野球選手がFAする理由と葛藤。
SB福田秀平が決断前に明かした本心。
posted2019/11/25 15:00
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Nanae Suzuki
これからFA権を取得するプロ野球選手や、「そもそもFA宣言ってどのようなことをするの?」という疑問を抱く野球ファンの皆様の参考になれば、と福田がインタビューに応じ、率直に胸の内を明かしてくれた(聞き手:田中大貴)
※このインタビューは11月22日に行なわれたものです。
――今の時点で、進路は決まっているんですか。
「まだ、迷っているところです。これから代理人と最終的なミーティングをして、最後は自分で決めたいと思っています」
――福田選手は今年の7月14日に国内FA権を取得しました。シーズンに入るとき「今年はFAの年だ」と意識しましたか。
「大事な年だとは思っていましたけど、ホークスでレギュラーではなかったですし、まずは一軍のベンチ入りを勝ち取らなければなりませんから、実際に取得するまでFAを意識したことはありませんでした」
――これまでFAに対して何かイメージは持っていましたか。
「僕が子どもの頃のイメージは、『FA=ジャイアンツに入ること』でした(笑)。ジャイアンツじゃなくても(希望が通れば)自分の行きたいチームに行けるわけですから、一軍で活躍した選手しか得られない権利だと思っていました」
FAは「一人前になった証」。
――FA権を取得した7月14日は、周りの選手から何か言葉をかけられましたか。
「みんなから『おめでとう』と言ってもらえました。球団のフロントの方からも『福田君。FA権、おめでとう』と」
――どのような意味だと受け取りましたか。
「さまざまな意味が込められているなと……FAは単に好きなチームに行ける権利というだけでなく、プロ野球選手として一人前になった証でもあるのかなと思います。球団の方からは『これでホークスの管理下ではなく、市場の選手になったね』という表現をしてもらいました」
――「おめでとう」に対して何と答えるんですか。
「『おかげさまで取得することができました』と。一軍の登録日数で取得できるものなので(工藤公康)監督にもお礼を言いましたし、秋山(幸二)前監督にも報告しました」
――FA権を取得してから、誰かに相談したんですか。
「選手では川島(慶三)さん、松田(宣浩)さん、あと僕のロッカーは内川(聖一)さんと和田(毅)さんに挟まれているので、よく相談に乗ってもらいました」
――周りからはどのようなアドバイスをもらいましたか。
「『他球団の評価を聞ける機会はFAしかないよ』とか『挑戦したらいいんじゃないか』とか、そういう声が多かったですね。ホークスは宣言残留が認められているので、まずは手を挙げてみようという気持ちになりました」