ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
日本ハム広報が考えるSNSの使い方。
球団&選手の情報発信に不可欠だが。
posted2019/11/26 20:00
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph by
Kyodo News
大らかに構えたいが、神経質にならざるを得ない場合もある。
昨今、特にストーブリーグと呼ばれるオフシーズンは情報の取り扱いに苦慮する。また判断に迷う場面に、時に直面する。
11月22日夜、札幌市内のホテルで球団納会が開かれた。リーグ優勝を果たした年は、優勝祝賀会となり、球団外部の関係者の方々も招く。5位だった今シーズンは球団内部と、選手を含めたチーム関係者のみが参加した。
すなわち「身内」のみで、そのアナウンスも球団内部と、報道陣のみに限定されていたのである。
そのホテルは翌日の新入団発表に備え、ドラフトで指名された選手と、その家族の方々の宿泊先でもあった。一、二軍の全選手がそろう1年の中でも数少ないセレモニーでもあり、広報は報道陣の取材対応に備える必要がある。諸々の準備のために、球団納会の開始時間よりも3時間ほど早くホテルに到着をして待機をしていた。
ホテルに姿を現した1人の男性。
球団納会の会場とは別のフロアで控えていた。そこへマスク姿の1人の男性が、姿を現したのである。
容姿から推察するに、きっと20代だろう。私を球団職員とは、その時には認識していなかったのだと思う。携帯電話で大きな声で、話し始めたのである。声が大きかったため、盗み聞きをする意思がなくても、会話の内容は嫌でも耳に入ってきた。
即座に、簡単に、その男性の狙いが理解できた。ホテルで、サインをお願いするなど接点を持つチャンスをうかがっていた。電話の相手は、仲間のようである。札幌市内の合宿所など選手が出没しそうな別のスポットと手分けをして、張りこんでいるようなやり取りだった。選手数人を呼び捨てで連呼して、行動パターンを予想して打ち合わせをしていた。
それに聞き入っているこちらは趣味が悪いかもしれないので少し申し訳ないが、やはり気にはなる。北海道日本ハムファイターズの「身内」としては、かなり気分が悪い単語、表現も会話の中に含まれていた。
近くにいるメディアに、球団行事が実施されるのかどうかを聞き回ってもいた。ホテルは当方の管理下にはないエリアでもあり、こちらから声は掛けることはしなかったが、気になる存在として記憶していた。