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久保建英が感じさせた進化の可能性。
中西哲生の目にU-22はどう映ったか。
posted2019/11/22 11:40
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
東京五輪を目指すU-22日本代表が国内で初めて戦った11月17日のU-22コロンビア代表戦は、物足りなさを残す内容となった。
これまでA代表に招集されてきた堂安律、久保建英、板倉滉を加えたメンバーは、森保一監督をして「現時点でのベスト」というものだったが、南米からやってきた来訪者にいいところなくひねられてしまう。
チームそのものが機能不全に陥っていた。期待の大きかった堂安と久保の共演も、結果に結びついていない。
ひとりひとりのポテンシャルをチームに漏れなく落とし込むために、これから何が必要になってくるのか。かつて名古屋グランパスと川崎フロンターレでプレーした中西哲生氏に聞いた。
バルセロナの下部組織に在籍した当時から久保を知り、その成長プロセスを間近で見てきた氏は、“日本の至宝”の良き理解者でもある。(以下、中西氏の語り)
ダブルボランチの展開に課題。
コロンビア戦の日本には、大きな期待が寄せられていました。10月にアウェイでブラジルに勝利したチームに、日本代表から板倉、堂安、久保が加わったのです。彼ら以外にもヨーロッパのクラブでプレーする選手がいる。
「どんな試合をしてくれるのだろう」との興味が高まるのは当然で、0-2という結果は落差が大きかったというのが一般的な反応だったでしょう。
物足りなさを生んだ理由は複合的なものでした。
コロンビア戦の日本は3-4-2-1でスタートしましたが、このシステムではダブルボランチのボールの供給がとても重要になります。中山雄太も田中駿汰もボールを受けよう、さばこう、という意識は感じさせましたが、攻撃陣への効果的な配球はできなかった。
中山は守備的なポジションのユーティリティープレーヤーですが、個人的にはCBか4バックの左に適性があると見ています。360度の視野を確保するボランチではなく、最終ラインでボールをさばく仕事を任せたい。