“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
ぶっつけ本番でも光ったDF原輝綺。
堂安律、久保建英との連係に高評価。
posted2019/11/22 08:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Getty Images
「混乱まではいきませんが、自分の中で整理がつかないこともありました。ただ、それでもアベレージ以上にやらないと、僕のような選手は生き残っていけないんです」
キリンチャレンジカップ・U-22日本代表vs.U-22コロンビア代表の一戦。0-2と完敗を喫した重苦しい雰囲気の中、試合後のミックスゾーンでDF原輝綺(サガン鳥栖)はこう口を開いた。
彼の出番は0-2で迎えた62分、MF菅大輝(北海道コンサドーレ札幌)に代わって投入された。日本は原の投入によってシステムを3-4-3から4-2-3-1にチェンジ。左サイドバックの位置に入った。
「左サイドバックは所属チームではやったことがありましたが、U-22代表ではやったことなかったので、最初は驚きました。前半の戦況を見る限り、僕かヤン(高宇洋/レノファ山口)が入る可能性がありそうだと思っていましたし、日本のウィングバックが相手の守備にはめ込まれていたので、そこでの起用もイメージしていました。
でも、最初に(三好)康児くん(ロイヤル・アントワープ)が呼ばれ、そのあとに僕が呼ばれたので、『あれ、どういう形になるんだろう?』と。『後ろを4枚にする』と聞いてようやく理解しました」
U-22代表では初の左サイドバック。
ほぼ、ぶっつけ本番。これまでは主にCBとして起用され、14日のサンフレッチェ広島との練習試合ではボランチで起用されていた。
「後ろをやったり、ボランチをやったりと、すぐに順応する難しさはあります。ですが、それでも森保(一)監督は僕の特性を分かってくれた上で使ってくれている。僕を左サイドバックに置いたのも、守備と並行しながらサイドからの組み立てすることを期待したからこそ。試合を見ていても、前半はバックパスが多くなり、3-4-3システムの良くないところが顕著に出ていると感じた。4バックになれば、僕の前にタケ(久保建英、マジョルカ)と(堂安)律(PSV)と預ける選手がいたので、彼らをうまく使い、エリアを前にとっていくプレーを意識しました」
急造とは思えない質の高いプレーを見せた原の投入で流れが完全に変わった。