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大リーグ新トレンドの「先発3人制」。
救援投手への負担は増すばかり。
posted2019/11/03 09:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
ポストシーズンの戦術、戦略が、特に投手起用に関して、着実に変わってきた。
先発完投など、遠い昔の話。
過去数年は、球数が100球にも満たない先発投手が5回前後でマウンドを譲り、最終的には救援投手次第で、雌雄を決する傾向は強くなった。
「短期決戦」とは言うものの、メジャーのポストシーズンは、地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズ、そしてワールドシリーズ(WS)と、最大19試合。ワイルドカードから勝ち上がると、約1カ月間、計20試合の長丁場を戦う可能性がある。負ければ終わり、の一戦必勝の厳しさがある一方で、最後まで勝ち続けるための中期的な戦略も必要となる。
となると、先発投手をできる限り長く引っ張って、無理をさせることは最善ではない。
その結果、「先発3人制」が、定着し始めた。
先発に頼らず「27アウト」を取る。
その背景として、近年、球界全体に定着した「オープナー」「ブルペンゲーム」の戦術があることは言うまでもない。
先発投手に頼ることなく、救援投手だけで「27アウト」を取るために逆算し、目まぐるしく継投する策が、頻繁に見られるようになった。
データ分析の細分化が進み、先発投手が初回に失点、さらに打順が3巡目になると痛打される傾向が多いことからも、力で圧倒できる救援投手を初回の上位打線にぶつけることで、試合の序盤で流れを作るのが目的とされてきた。
ただ、現段階で、その「正否」は依然として不透明と言っていい。