サムライブルーの原材料BACK NUMBER
被シュートゼロのGK権田修一に聞く。
「90分何を考えた?」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJFA/AFLO
posted2019/10/29 07:00
バックパスの処理が主な仕事だったモンゴル戦での権田。
自分で仕事を見つけなければ。
頭を回して、体を動かして。
両方を温めながら、ちょうどいい緊張状態でいつでもアラート状態に入れるようにしておく。シュートは打たれなくとも、その状態を90分通して保ち続けることができたことが「次につながる」と感じ取れた。
「逆に仕事が来てくれたほうがある意味、楽じゃないですか。バンバン、シュートをしのいでっていうのは大事ですけど、自分で仕事を見つけていかなきゃいけないっていうのも面白かったです。
(9月、アウェーでの)ミャンマー戦も勉強になりましたけど、いろんな環境、いろんな状況でやれること1つひとつが凄く学べます。(代表で)埼スタでプレーしたのも初めて。これもいい経験になりました」
間合いも、対処も完璧。
予測の連続を止めなかったことが5日後のアウェー、タジキスタン戦に活きた。前半23分、抜け出してきた相手のシュートを弾いてピンチを救ったのだ。間合いも、対処も完璧であった。チームがバタつくことなく後半のゴールラッシュを呼び込めたのも、あのビッグセーブがあったからだ。
いかなる環境でも、いかなる状況でも。
権田を見ていれば、その姿勢は良く分かる。
9月5日の親善試合パラグアイ戦もそうだった。シュミット・ダニエルが先発予定であったが、ケガによって急きょ出番が回ってきた。
公式戦は4カ月ぶり。2シーズン目を迎えるポルトガル1部ポルティモネンセでは出場機会がなく、昨季の最終節以来の出番となった。