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英国で起きた指導者の人種差別と、
曹貴裁前監督の処分で感じたこと。 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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photograph byGetty Images

posted2019/10/29 11:00

英国で起きた指導者の人種差別と、曹貴裁前監督の処分で感じたこと。<Number Web> photograph by Getty Images

湘南ベルマーレはJ1残留を目標に戦っている。降格となれば、クラブだけでなくファンにも、その影響は計り知れない。

時間がかかる。簡単ではない。

 ちなみに世界のフットボール界でも、過去に様々なことがあった。

 有名なところでは、マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソン元監督が、デイビッド・ベッカムに腹を立ててスパイクを蹴り上げ、ベッカムの顔に直撃。数針の怪我を負わせたが、それを咎められることはなかった。またコンプライアンス問題以外でも、スピードの出し過ぎによる自動車事故で他人の命を奪ってしまった選手や元選手が、ピッチへと戻ったケースがある。

 時間はかかるかもしれない。簡単ではないかもしれない。でもいつかまた、曹さんが第一線に戻ってくることを願いたい。問われるのは本人の力と周囲のサポート、社会の寛容性か。

 忘れてはならないのは、多くの人々がつい数カ月前まで、ベルマーレの情熱的なロッカールームの様子を撮影したDVDを楽しんでいたこと。その中心にいた前指揮官は、一線を超えてしまうことがあった。だがそれによって手のひらを返され、すべてが否定されてしまったりするのは、フェアではないと思う。

 パワーハラスメントの行為自体、絶対に許されるのものではない。被害者の方の心中には徹底的に寄り添うべきである。しかし、これほど特長のある指導者をこのまま失ってしまうのは、サッカー界にとって惜しいとも思うのだが……。

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#曹貴裁
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