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浦和、ACL広州戦を2-0で完勝。
危機管理の中心にいた槙野智章。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2019/10/03 12:00
前半にファブリシオ(中央)がミドルシュートを決めて先制。後半に関根貴大が2点目を決めて快勝した。
興梠のメッセージのある守備。
そう試合を振り返る興梠の存在の大きさを、DFライン中央に立ち、そのオーガナイズとカバーリング能力を遺憾なく発揮していた鈴木大輔が語る。
「(相手の)クサビのボールに対しては、今日ほとんど勝てていたと思います。後ろが狙った守備ができるというのは、選手間の距離感がよくて、前線から(相手の攻撃に)規制がかかっているとき。
今日だと興梠選手のところで、『真ん中でボールを持たせるのではなく、サイドでボールを持たせて、クサビのところを狙ってくれよ』というようなメッセージのある守備をしてくれた。それに対して、ボランチも非常に連動していたので、中盤からよいパスを出させなかった」
槙野智章は、中央に立つ鈴木と右DFの岩波拓也との3人の関係について話してくれた。
「鈴木選手が真ん中に入り、岩波選手と僕に対して前へのチャレンジのコーチングができていて、僕らが前へチャレンジすることで裏に空いたスペースは彼がカバーするというよい連係ができている。そして、2対1とか数的優位な形で守るのではなく、あえて1対1の局面を作り、選手自身に責任を託すほうがうまくいくと思った」
「1対1に強い選手だと自分でも思っている」
鈴木も言う。
「1対1に強い選手だと自分でも思っている。岩波選手も槙野選手も運動量のあるCBたち。1枚余らせてカバーリングというのはセオリーですが、マンツーマンでも守れる。もちろん、自分のスタイル的には、しっかりオーガナイズして、カバーリングして戦いたいですけれど」
相手の3トップを3人でマークする。強気なマンツーマンディフェンスが功を奏したのも、前線からの守備が効いたからだろう。そのうえ、ここ数試合勝利から遠ざかっている広州が浦和と同じ3バックシステムをとったことも影響したかもしれない。
不慣れな3バックシステムだったからなのか、カンナバーロ監督が「エウケソンやタリスカは怪我から戻ったばかりでフィットしていなかった」というように、広州に迫力はなかった。