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浦和、ACL広州戦を2-0で完勝。
危機管理の中心にいた槙野智章。
posted2019/10/03 12:00
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Getty Images
7月6日のJリーグ仙台戦以来のホームでの勝利。公式戦での勝利自体も8月14日の天皇杯・水戸戦以来だった。10月2日ACL準決勝ファーストレグ、広州恒大戦で2-0と完封勝利を飾った浦和だが、試合後のミックスゾーンの選手たちは、淡々とした表情で試合を振り返った。
75分に2点目となるゴールを決めた関根貴大も「まだセカンドレグがあるし、勝ったわけではないから。次のステージへ行けるなら喜ぶけれど、まだ何も手にしていないから、喜べなかった」とゴール後の心境を語っている。
9月17日のACL準々決勝セカンドレグを1-1のドローで終えて、2戦合計のアウェイゴール数で上回り、勝ち上がりを決めたが、その8日後の天皇杯Honda FC戦では0-2と敗れた。
そして、9月28日のJリーグでの鳥栖戦では2-0とリードして、ハーフタイムを迎えたものの後半に3失点。アディショナルタイムに得たPKを決めて3-3と追いついたものの、リーグ13位という厳しい現実を突きつけられたままだ。
「アウェイゴールを与えたくなかった」
Honda FC戦、鳥栖戦でコンディション不良などもあってベンチ外だった興梠慎三は、満を持して広州戦で先発出場している。
「悪い試合をしていたわけじゃなく、いい試合をしながらも勝ちきれなかった。ただ前半の入り、後半の入りなど、悪い時間帯が鳥栖戦では目立っていたので、自分が試合に出たときはそこを無くすように周囲に声をかけるようにしていた。
今日も悪い時間帯もあったけれど、そこを耐えればチャンスは来る。クリアしたボールを相手に拾われる時間が続いたときはなるべく前でキープしたり、自分たちがボールを持つ時間が増えれば、自分たちの流れになると思っていた。今日はそこで関根が決めてくれた。
相手にアウェイゴールを与えたくなかった。オフサイドで取り消された(広州の)ゴールがあったけれど、あれが決まっていれば、第2戦へ向かう自分たちのアドバンテージがまったく違うものになるから。失点しないことをチーム全員が意識していたし、後ろの守備陣は身体を張って守ってくれた。前線も前からどんどんプレスをかけることができた。全員のがんばりが勝利に繋がった」