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データが示す日本バスケの問題点。
3Pの成功数が倍以上のチームも。

posted2019/10/02 11:30

 
データが示す日本バスケの問題点。3Pの成功数が倍以上のチームも。<Number Web> photograph by AFLO

3Pシュートも持ち合わせる八村塁は、やはり日本のキーマンである。あとはガード陣の奮起が待たれる。

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青木崇

青木崇Takashi Aoki

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 中国で開催されたFIBAワールドカップは、トップレベルのNBA選手が数多く参加を見送ったアメリカが3連覇を逃して7位。高いスキルとフィジカルの強さを持つ選手を揃え、チームとして戦術理解度と遂行力の高かったスペインが、日本で開催された2006年以来2度目の世界一に輝いた。

 バスケットボールの試合で優勢に立つには、ペイント内(ゴール下)での得点で相手を上回ることが長年重要視されている。

 今回のワールドカップでも、相手よりこのエリアの得点が多かったチームが、92試合中63試合(勝率68.5%)で勝利していることでも明らか。

 ベスト8まで勝ち上がった全チームはこのエリアで平均33点以上を奪い、ペイント内におけるシュート試投数の平均を上回っている。

各国のペイント内での平均得点・平均シュート数
スペイン 35.6点 29.4本
アルゼンチン 36.5点 34.5本
フランス 33.5点 30.6本
オーストラリア 39.6点 33.4本
セルビア 41.0点 30.7本
チェコ 37.8点 36.3本
アメリカ 33.1点 30.5本
ポーランド 36.0点 30.9本
日本 28.4点 31.2本

日本の3P成功数は29位タイ。

 しかし、2010年代に入ってからは3Pシュートの重要性が増している。

 もちろん、チームによってスタイルの違いがあるとはいえ、今回のワールドカップでベスト8に進出したチームのうち7チームが、3Pシュートの1試合平均成功数で8本を超えていた。

 その一方で、5連敗に終わった日本は5.4本で29位タイに終わっている。

「我々は3Pシュートを頼りにしているチーム。オープンで打てるシステムを作ることが我々コーチ陣の仕事」とポール・ヘナーレコーチが語ったニュージーランドは、大勝した日本戦で18本を決めるなど、1試合平均の成功数が今大会最高となる平均12.4本。

 1試合平均99.4点の3分の1を超える37.2点が、3Pシュートによるものだった。

【次ページ】 日本は成功率が低く、相手には決められる。

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