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日本のクラブ初のアジア王座獲得。
A東京の成長がBリーグを強くする。

posted2019/10/04 11:30

 
日本のクラブ初のアジア王座獲得。A東京の成長がBリーグを強くする。<Number Web> photograph by ALVARK TOKYO

ワールドカップでの戦いを終えて合流した田中大貴。アレックス・カークに次いでチーム2位となる平均28.7分の出場で優勝に貢献した。

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小永吉陽子

小永吉陽子Yoko Konagayoshi

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ALVARK TOKYO

 Bリーグ開幕直前に飛び込んだうれしいニュースだった。リーグ2連覇中のアルバルク東京(以下A東京)が、アジアのクラブ王者を決定する「FIBAアジアチャンピオンズカップ」で初タイトルを獲得したのだ。

 この大会は1981年から開催されている伝統ある大会だが、運営面が整備されていなかったことや、スケジュールの都合上、参加しない国も多かった。ようやく、昨シーズンから大会運営が整備されつつあり、日本からはBリーグ王者としてA東京が2年連続で出場している。

 昨年のA東京は決勝でイランのペトロチミに敗れて準優勝だったが、今年は準決勝でチームこそ違うが宿敵イランのナフト・アバダンに80-73で勝利して雪辱を果たすと、決勝ではグループフェーズで惜敗したレバノンのアル・リヤディに98-74で快勝。

 どちらの試合も、主導権を握ると一度も離すことなくアジア王者に駆け上がった。MVPには大黒柱として活躍したアレックス・カーク、ベスト5にも田中大貴が選出された。

立ち上がりはどの試合も悪かった。

 A東京が苦戦したのはむしろ、各国の名門が揃ったグループフェーズのほうだった。中国の広東サザンタイガースは9回、韓国の蔚山現代モービスは7回も国内で優勝しており、レバノンのアル・リヤディに至っては国内制覇が20回を超えるこの大会の常連。

 名門クラブとの対戦は一筋縄にはいかず、立ち上がりはどの試合も悪かった。そんな中でも優勝を遂げた要因は、試合をこなすごとに発揮した高いアジャスト力だった。

 この大会に臨むにあたってルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(以下HC)は、昨年逃している優勝を目標に掲げるとともに、「アジア各国のレベルが高いチームと試合をすることで、チーム状態を高めたい。昨シーズン、私たちは日本でいちばんいいディフェンスをしたチームだと自負しているが、代表選手がいなかった夏の間は少ない人数でしか練習ができず、今はディフェンスを作り上げているところ」と話している。

 エースの田中も「今は日本に残っていた選手たちがチームを作ってくれて、僕ら代表選手が合わせていかなければならない」と言う状態からのスタートだったのだ。

【次ページ】 国によってスタイルが全く違う。

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