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データが示す日本バスケの問題点。
3Pの成功数が倍以上のチームも。
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byAFLO
posted2019/10/02 11:30
3Pシュートも持ち合わせる八村塁は、やはり日本のキーマンである。あとはガード陣の奮起が待たれる。
3Pを打ち、打たせない戦い方を。
ワールドカップの取材で実感し、シュート・チャートやエリアごとのFG成功率を改めて検証してわかったことは2つ。
オフェンスではペイントエリアでアタックして得点を奪い、ボールをしっかり動かして数多くの3Pシュートを打てる展開を作ること。
ディフェンスではペイントアタックへの対応と、シューターが3Pを打てないようにクローズアウトすることだ。たとえシューターにフェイクでかわされたとしても、ペイントの外側で2Pシュートを打たせることができれば、ディフェンスの対応は悪くなかったと見るべきだろう。
遠い2Pを打たされている?
ペイント外からの2P成功率に焦点を当ててみると、優勝したスペインを含めて上位8チーム中6チームが40%を超えている。
ところが、1次ラウンドで敗退した16チーム中7チームが30%未満。日本は35.3%とトップ8のチームとの差が少なかったとはいえ、モンテネグロ戦で16本すべてミスするなど3Pシュートの成功数と確率で差があった。
ペイント外からの2P成功率・平均シュート数
スペイン 40.0% 8.1本
アルゼンチン 33.3% 4.5本
フランス 47.8% 8.3本
オーストラリア 43.6% 4.9本
セルビア 37.5% 5.0本
チェコ 41.0% 7.6本
アメリカ 45.8% 10.4本
ポーランド 41.1% 7.0本
日本 35.3% 10.2本
日本が来年の東京五輪で世界の強豪国から勝利を手にするためには、選手個々のスキルアップ、フィジカルとメンタルでよりタフになることが絶対条件。これは、選手たちもコーチングスタッフも認識している。
しかし、見てすぐにわかる数字で示すのであれば、ワールドカップよりもペイント内と3Pシュートによる得点増と、失点減を同時に実現できるか。そのカギを握る指標として、ワールドカップでも大きく勝敗に影響をもたらしたペイント外から2Pシュートを打つ本数は注目に値する。