ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
五輪ゴルフコースを管理する仕事。
ぺブルビーチの衝撃が人生を変えた。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2019/09/27 11:40
昨秋に霞ヶ関カンツリー倶楽部へやってきた東海林護さん。2016年に改修したコースのコンディションを日々見極めながら、本番の日を迎える。
2020年の先も見据えて。
欧米ではグリーンキーパーの身分は、日本のゴルフ場のそれよりずっと高い。待遇面にも差があり、名門コースのスーパーインテンデントと言われるトップたちのヘッドハンティングがざらにある。国内の業界内の認知度や価値向上のためには、「キーパーもただの“芝いじり”、職人に留まっていてはいけない」というのが彼の信条でもある。
最近、霞ヶ関CCには五輪ゴルフを主導するIGF(国際ゴルフ連盟)のスタッフ、普段世界最高峰のツアーでコース管理を担うスペシャリストたちも視察と会議に足を運んでいる。彼らの要求水準は高い。それもすべては2020年夏、わずか2週間のためだ。
「最近、僕自身はほとんどゴルフをしていません。プレーしていてもグリーンではパットのラインじゃなくて、芝をじっと見たり、撫でたりしちゃう。職業病だと思います(笑)」
五輪は国家行事である一方で、霞ヶ関CCはその先も伝統を積み重ねていく。だから彼の目は、もっと先にも向けられている。
「ゴルフ場は歴史を成熟させてくもの。10年後、20年後……にどうなっているかということも重要です。2020年にピークを持っていくだけでなく、右肩上がりにしていくことが大切だと思います」
ようこそ、霞ヶ関カンツリー倶楽部へ。ようこそ、日本へ――。
十数年前のあの日、ペブルビーチで感じたスタッフのプライドを持って“世界”を迎えたい。
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