語ろう! 2020年へBACK NUMBER
新しい地図・香取慎吾×パラバドミントン。
「こんなに速く動ける世界がある」
posted2019/09/30 08:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Takuya Sugiyama
立位と車いす、異なるカテゴリーにおいて
共にトップレベルで活躍する2人が香取慎吾に語った、
競技の魅力と、あと1年に迫る大舞台への思いとは。
Number985号(2019年8月29日発売)の特集を全文掲載します!
健常者のプレーと遜色がないほどのスピード感と、試合中の駆け引きが魅力のパラバドミントン。立位と車いすのカテゴリーがあり、障がいの程度により立位は4クラス、車いすは2クラスに細かく分類される。
豊田まみ子は初出場の2013年の世界選手権でいきなり優勝し、一躍注目された。ここ数年怪我に悩まされたが、立位のSU5(上肢障がい)クラスのエースの1人だ。一方の小倉理恵は車いすのWH2(体幹の障がいが軽度、もしくはなし)クラスで'15年の世界選手権女子ダブルスで銅メダルを獲得し、日本を引っ張る存在。ともに2020年の活躍が期待されている。
女子の層が分厚く激しい競争に。
香取 東京パラリンピックまで約1年。バドミントンは今回から正式種目になったんですよね。
小倉 今年3月から国際大会などで代表枠争いのポイントレースが始まっていて、緊張感が今までとまったく違います。代表候補の選手たちは、普段はみんな仲良しですが、試合ではライバル。女子は層が厚く、どのクラスにも世界ランク上位の選手がいます。特にダブルスは、1国につき1組しか出られないので、競争が激しいんです。
香取 今日はパラバドミントン代表候補専用の体育館でお話を聞いていますけど、この中にライバルがいるわけですよね。なんかこっちまで気持ちが引き締まります。シングルスも、日本から1人しか出られないんですか。
小倉 いえ、ダブルスで出る人はシングルスも自動的に出場できるという、ちょっと変わったルールなんです。私は女子ダブルスとシングルスでの出場を目指しています。
豊田 私はシングルスです。8月の世界選手権まではミックス(混合)ダブルスにも出場していましたが、一本に絞りました。
香取 立位クラスには、腕に障がいのある上肢障がいの選手だけではなくて、下肢障がい、義足の選手もいますよね。
豊田 ルール上、シングルスで戦うことはないのですが、ダブルスやミックスでは、そうした選手とパートナーとして組むことがあります。