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日本の次世代クライマーたちが集結。
北陸から世界へ!『JOC』密着レポート。

posted2019/09/30 11:00

 
日本の次世代クライマーたちが集結。北陸から世界へ!『JOC』密着レポート。<Number Web> photograph by Ichiro Tsugane

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津金壱郎

津金壱郎Ichiro Tsugane

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Ichiro Tsugane

 これからフェスでも始まるのか!?

 背後に世界遺産に登録されている五箇山が広がる豊かな自然のなか、芝生が植えられた階段状の観客席に張られたテントやタープ。正面を見ればステージだってあるし、BGMにはJAZZYな曲が流れている。事情を知らない人が見たら、そう思う光景かもしれない。

 富山県南砺市にある桜ヶ池クライミングセンターで、9月14日から16日に行われたリード大会の『第22回JOCジュニアオリンピックカップ南砺2019』(以下JOC)を訪れた。

 スポーツクライミングには19歳以下の選手を対象にした主要な全国大会が3つある。3月に千葉県印西市でリード種目を争う『日本ユース選手権リード競技大会』(以下・リード・ユース)、5月に鳥取県倉吉市でボルダリング種目を競う『ボルダリング・ユース日本選手権』(以下・ボルダリング・ユース)。そして、3つ目が例年は8月に行われるJOCだ。

 前者2大会は体育館内で行われるが、JOCは2000年の富山国体のためにつくられた屋外ウォールで実施される。観客席に陽よけはないため、選手を引率する各都道府県山岳連盟のスポーツクライミング担当者や父兄によって、陽射し雨対策のためにテントやタープが張られる。

観客席に並ぶテントやタープは、選手や引率者の観戦するために加え、選手たちがフィジカルケアを受けるスペースにもなっている。

 大会初日の朝は早い。テントを張る場所取りのために、引率者たちは早朝5時半頃から列をつくり始め、1時間後には列の長さは30m以上になるという。機材置き場のテントを張ろうと競技開始1時間半前の午前9時に会場入りしたところ、傾斜のある会場隅にわずかなスペースが残る程度だった。

 今年は8月に世界選手権があったことで1カ月遅れの開催となったが、それでもテントやタープは必須だった。初日、2日目は肌を刺すような陽差し。気温が30度を超えた2日目には、朝から直射日光を浴び続けたホールドが熱くなりすぎて競技が中断するアクシデントも発生した。それが一転して最終日は小雨がパラついた。それでも用意したテントは文字通りの機材置き場でしかなかったほど、目の離せない魅力に溢れる大会だった。

近年のリード大会は巨大ハリボテを取り付けて課題をつくるため、表面がフラットな人工壁が主流。だが、桜ヶ池のウォールは壁自体に凹凸のあるものが使われている。

【次ページ】 10代の活躍が目覚ましいクライミング。

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