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ナダルが覆した「短命」の先入観。
フェデラー&ジョコと競い合って。

posted2019/09/12 12:30

 
ナダルが覆した「短命」の先入観。フェデラー&ジョコと競い合って。<Number Web> photograph by Getty Images

タフマッチを制し、4度目の全米制覇を達成したナダル。その情熱はフェデラー、ジョコビッチとはまた違う魅力である。

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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 ノバク・ジョコビッチが消え、ロジャー・フェデラーが散った全米オープンは、ラファエル・ナダルの19回目となるグランドスラム優勝で幕を閉じた。これで、彼ら<ビッグ3>によるグランドスラム・タイトルの独占は丸3年、12大会連続となった。

 この間にナダルだけが経験していることがある。25歳以下の若手との決勝での対戦だ。

 昨年、今年と2年続けて全仏オープンでドミニク・ティームを下し(今年の対戦時に25歳)、そして今回は23歳のダニール・メドベージェフの挑戦を退けた。

 いずれも、もしナダルが敗れたとしたら、2014年の全米オープンで当時25歳だったマリン・チリッチ以来の若きグランドスラム・チャンピオン誕生となっていた。そこには、フェデラーやジョコビッチ、アンディ・マレーやスタン・ワウリンカとの対戦とは違うプレッシャーがあるのではないか。

 そう聞かれたナダルは、軽く笑い飛ばした。

「僕たちの時代はもう十分じゃないかな。15年にもなるんだよ。遅かれ早かれこの時代は終わるし、近づいてきていると感じる。僕は33歳で、ノバクも32歳。ロジャーは38歳だ。時間は止められない。

 だからそんな心配はあまりしていないよ。テニスはいつだって、次の時代のすばらしいチャンピオンが生まれてきたじゃないか」

メドベージェフも全力を出し切った。

 世代交代の主役となる資格を持って決勝に進んできたメドベージェフは、いわゆる初代ネクスト・ジェンの一角。アレクサンダー・ズベレフやステファノス・チチパスに遅れをとっていた印象だが、この夏のハードコート・シーズンで大ブレークした。

 全米オープンも含めて出場した4大会全てで決勝に進出。うちシンシナティではマスターズ初優勝を遂げ、今年の勝ち星数でもツアートップに躍り出た。

【次ページ】 新しい悪役からナイスガイに。

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