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ナダルが覆した「短命」の先入観。
フェデラー&ジョコと競い合って。 

text by

山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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photograph byGetty Images

posted2019/09/12 12:30

ナダルが覆した「短命」の先入観。フェデラー&ジョコと競い合って。<Number Web> photograph by Getty Images

タフマッチを制し、4度目の全米制覇を達成したナダル。その情熱はフェデラー、ジョコビッチとはまた違う魅力である。

ナダルが考える「幸せ」の意味。

 19回の優勝シーン映像を、目を潤ませながら見つめていたナダル。のちの記者会見でそのとき何を考えていたのかと聞かれ、「年とったな、って」と答えて笑わせた。上にはフェデラーの「20」という記録があるが、年の差とロランギャロスという牙城の存在を考えれば、記録の更新は十分にありえる。

 しかしナダルは、記録好きの記者たちを諭すように語った。

「自分がそんな偉業を成し遂げられるなら最高にうれしい。でも、僕は今、グランドスラムのためにテニスをやっているんじゃないんだ。もっと獲りたいかと言われたらもちろん獲りたい。だけど結果がどうなったとしても、それによって幸せになったり幸せじゃなくなったりするわけじゃない。

 幸せっていうのは、どれほど力を尽くしたかという自分の中の満足感から生まれるものだから。そういう意味で僕はとても穏やかでいられるし、自分に満足している」

 いったいどれだけのエネルギーを注ぎ、どれだけの苦難を乗り越えれば、33歳でこんなことが言えるのだろう。

 アスリートの境地に立つナダルの可能性は狭まるどころかより広がりを見せ、世界中のファンを、テニスに関わるあらゆる人々を魅了している。

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