サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
久保建英ら8人がW杯予選に初出場。
初戦完勝は世代交代の追い風になる。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTsutomu Takasu
posted2019/09/11 12:00
世代交代の成功と予選の危なげない突破。この2つが森保ジャパンに課せられたミッションである。
もっと点は取れたが力の差は歴然。
後半開始早々に雨はやんだものの、ピッチコンディションを考えればミドルシュートを有効活用するべきだった。
試合を通して10本以上あったCKを、得点に結びつけられなかったのも課題である。試合を決める3点目を奪えなかったのは、パラグアイ戦の反省を生かせなかったということにもなる。
とはいえ、ミャンマー戦は2次予選の第一歩だ。
内容も結果も満足できる試合ができなかったとしても、悲観することはない。守備面ではスキを見せず、アウェイの環境で走り負けなかった。80分以降に相手選手がたびたびピッチに倒れ込んだのは、前半から日本の圧力を受けたことで身体が悲鳴をあげたからだろう。
スコアこそ2-0でも、はっきりと力の差を見せつけることはできた。ヤンゴンの夜はミャンマーだけでなく、2次予選でこれから対戦するタジキスタン、モンゴル、キルギスにも警戒心を抱かせるはずである。
世代交代と同時進行でのW杯予選。
もうひとつ忘れていけないのは、森保監督のチームが発展途上であるということだ。
アルベルト・ザッケローニのもとで挑んだブラジルW杯アジア予選は、'10年の南アフリカW杯を戦ったメンバーがほぼそのまま残っていた。ヴァイッド・ハリルホジッチとともに戦ったロシアW杯への道のりも、2次予選の初戦はスタメンの7人がブラジルW杯のメンバーである。
ミャンマー戦のスタメンにも、W杯のピッチに立ったことのある選手は5人いた。ただ、世代交代を進めながらW杯予選を戦うのは10年以上ぶりである。W杯予選の最年少記録を更新した久保はもちろん、彼と同じ途中出場の伊東も鈴木もW杯予選は初めてだった。
チームとしての伸びしろを考えれば、ミャンマー戦は今後につながる。「勝つのが当たり前と思われる相手に当たり前に勝つことが、どんな相手にもスキを見せないチームにつながっていく」と、森保監督は話している。