酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
菅野智之、10勝到達も内容はどうか。
「好投」指標で各エースを比較する。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/08/26 12:00
7年間で6度目となる2ケタ勝利をマークした菅野智之。らしくない内容が続いても、巨人に勝利をもたらしている。
2013年、田中将大の空前の成績。
<2019年セ・リーグ>
1.今永昇太(De)
12勝5敗(10勝6敗)防御率2.38
2.大野雄大(中)
7勝7敗(11勝6敗)防御率2.72
3.山口俊(巨)
12勝3敗(8勝5敗)防御率2.84
4.西勇輝(神)
6勝8敗(8勝6敗)防御率3.12
5.大瀬良大地(広)
10勝7敗(9勝6敗)防御率3.16
6.柳裕也(中)
9勝5敗(9勝6敗)防御率3.33
7.菅野智之(巨)
10勝5敗(8勝6敗)防御率3.58
8.小川泰弘(ヤ)
4勝11敗(6勝10敗)防御率4.68
今年のセ・リーグには傑出した先発投手はいない。最多勝争いはDeNAの左腕・今永と右ひじの故障から復活した巨人・山口俊が12勝で並んでいるが、中日・大野がHQSでは1位だ。
ちなみに2013年、空前の24勝0敗を記録した楽天の田中将大は、HQSで見ると23勝0敗になる。
この年は27回先発して、HQSが23回、QSが4回 (他に救援登板1回)。HQS未達で勝ちを拾った試合が3、HQSで白星がつかなかった試合が2だった。この年の田中は、打線の援護を全く必要としていなかったのだ。
このように公式記録の勝敗とは別の基準であるHQS数で投手成績を見ると、先発投手の実力がくっきりと浮かび上がってくるのだ。