プロ野球PRESSBACK NUMBER
藪恵壹が見る阪神の助っ人戦線。
「当たり」を掴めない理由は?
posted2019/08/26 20:00
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph by
Kyodo News
シーズンの山場ともいえる長期ロードが終わりました。直前に鮮烈なデビューを果たした新外国人、ヤンハービス・ソラーテの勢いも続かず、阪神タイガースは依然としてセ・リーグ4位に留まっています。
一方、他チームに目をやると、打線のポイントになっている外国人選手も多いですね。そこで今回は、阪神の助っ人戦線について見ていきたいと思います。
今シーズンの開幕時、新戦力として3人の外国人選手を迎えて臨んだタイガース。ピッチャーとしてはピアース・ジョンソン(前ジャイアンツ)とオネルキ・ガルシア(前中日)の2人が加入しました。
中継ぎとして防御率1点台前半と抜群の安定感を見せているジョンソンはチームに欠かせない存在になっていますし、誰が見ても文句なしでしょう。疲れで離脱した時期はとにかく痛かったですね。
期待外れのガルシア、安定感欠くドリス。
ガルシアは昨季リーグ3位の13勝(9敗)という成績を引っさげて入団しましたが、ここまで17試合に登板して2勝8敗、防御率は5.17(8月25日現在)。期待外れとしか言いようがありません。昨シーズンは1年通して安定した投球を見せていたのですが……来シーズンも残留となるかどうかは疑問です。
残留が微妙、という点では、昨シーズンまで不動の守護神を務めていたラファエル・ドリスも調子が良くありません。防御率が特に悪いというわけではありませんが、バント処理を始めとしたフィールディング、先頭バッターを出してしまうと途端に安定感を欠く、といった以前から指摘されてきた欠点が目立ちます。不安要素が多いピッチャーは、やはり使いにくいものです。
タイガースの「投手を見る目」には、国内外問わず一定の信頼を置いていいと思います。これまで一軍に上がってこられないままチームを去った外国人投手の中にも、他球団であれば十分戦力になったのではないかと思わされるような選手がいました。
ここは「見る目」を信じて、実績にこだわりすぎず、戦力を充実させていきたいところです。