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菅野智之、10勝到達も内容はどうか。
「好投」指標で各エースを比較する。

posted2019/08/26 12:00

 
菅野智之、10勝到達も内容はどうか。「好投」指標で各エースを比較する。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

7年間で6度目となる2ケタ勝利をマークした菅野智之。らしくない内容が続いても、巨人に勝利をもたらしている。

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Kiichi Matsumoto

 当コラムでも2回取り上げたが、今季の巨人、菅野智之の不振は大きな話題になった。

 それでも菅野は8月26日時点で10勝を挙げている。あと4試合ほど登板するから、最終的には12勝くらいにはなるだろう。昨年の15勝には及ばないまでも、キャリアのスタッツで見れば「ちょっとしたへこみ」のように見えている。腐っても鯛というか、菅野は悪いなりに数字をそろえてきたということができよう。

 しかし投球内容で見れば、今年と去年の菅野には大きな相違があるのだ。

 セイバーメトリクスなどデータ解析が進んでも、やはり投手は「勝利数」という認識は、根強い。しかし、先発して8点取られても味方が9点取ってくれれば勝ち投手、1点取られただけで完投しても、味方が完封されれば負け投手である。「勝敗」は「運」に左右されることが多いのだ。

好投であるHQSやQSの数値を見てみると。

 何とかならんか、と筆者は何度か投げかけをした。すると「HQS以上を勝ち、QSは勝敗つかず、QS未達は負けにしてはどうか」という提案があった。

 QS(クオリティースタート=Quality Start)とは、先発投手が6回以上を投げて自責点3以下で抑えることで、先発の最低限の責任と言われる。これはセイバー系の指標だが、今ではESPNなど米大手スポーツサイトでも採用している。

 HQS(ハイクオリティースタート=High Quality Start)は先発が7回以上投げて自責点2以下で抑えること。これは好投と言える。HQSを「勝」としてQS未達を「負」とするのは妥当性がある。

 ここ5年の菅野の勝敗とHQS、QSでの修正値はカッコ内、それと防御率を出すと伊かのようになる。6回未満で自責点0の試合は、勝敗つかずに含めた。以下、2019年は8月19日時点での成績だ。

 2015年 10勝11敗(16勝5敗)防御率1.91
 2016年 9勝6敗(16勝4敗)防御率2.01
 2017年 17勝5敗(18勝4敗)防御率1.59
 2018年 15勝8敗(17勝8敗)防御率2.14
 2019年 10勝5敗(8勝6敗)防御率3.58

【次ページ】 今年は打線が菅野を盛り立てている。

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