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今季のセ・リーグで頻発する
大型連勝&連敗の「謎」に迫る。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2019/08/12 11:50

今季のセ・リーグで頻発する大型連勝&連敗の「謎」に迫る。<Number Web> photograph by Kyodo News

大型連勝と連敗を続けながら4連覇を目指して首位争いを繰り広げる広島。

打線には短いパターンで好不調の波が。

 昨年の広島も82勝中42勝が逆転勝ちで、「タナキクマル」に鈴木誠也外野手のいる打線は先行されても打ち返せる。それが勝利の条件だった。

 逆に今季の阪神はリーグ1のリリーフ陣がいても、チーム得点はリーグ最下位(347点)と打線の破壊力不足は否めない。だから先行逃げ切りしか勝ちパターンが作れず、それが、大型連敗もないが大型連勝もない理由なのである。

 ただ、打線は水物だ。

 打線には比較的、短いパターン(通常は長くて3週間程度と言われている)で好不調の波がやってくる。本来ならばその不調の波を投手力を中心とした守りの力でカバーしなければならないのだが、前述したとおり、どのチームも中継ぎが不安定で、打線中心の戦いで進んできてしまっている。

 だから今年のここまでのセ・リーグの戦いは、打線の波にチームの勝敗が影響を受けやすかった。そこが大型連勝と大型連敗が生まれる1番のポイントなのである。

点を取れないことが明らかな敗因。

 5.71点対2.16点。

 これは6月29日から7月6日まで7連勝したときと7月31日から8月6日まで6連敗したときの、巨人の1試合の平均得点である。そのうち6連敗の投手陣が3点に抑えた試合が2試合で、4点が1試合。点を取れないことが明らかな敗因だった。

 巨人だけでなく広島も、11連敗中の12試合(1引き分けを含む)の平均得点は2点まで落ち込んでいた。一方で首位戦線再浮上のきっかけとなった7月19日からの9連勝では平均6.55点を叩き出し、中盤に4点差を再逆転した試合を含めて逆転勝ちが4試合。先発に頼り切るのではなく、打線がどれだけ点を取れるかが、チームの勝ち負けの行方を大きく左右する結果となっていたのだ。

【次ページ】 最後までカオスの戦いが繰り広げられる。

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