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今季のセ・リーグで頻発する
大型連勝&連敗の「謎」に迫る。
posted2019/08/12 11:50
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
今季のセ・リーグは連勝と連敗の大波でチーム順位が激しく変動する異例の展開となっている。ほとんどのチームが5つ以上の連勝、連敗、それを超える大型連勝、大型連敗を経験し、それが順位を激しく動かす要因となっているのだ。
実際に巨人、DeNA、広島の上位3チームの連勝、連敗ストリームはこうなっている。
巨人は6月29日から7連勝し、1敗を挟んでその後も5連勝で2位に最大10.5ゲーム差をつける独走態勢に入ったかに見えた。しかし7月17日から4連敗を2回と同31日からは6連敗で再び〝混戦〟を演出する主役となってしまった。
連勝、連敗の波が最も激しいのが広島。
一方のDeNAも開幕直後の4月16日から10連敗で最下位に転落。その後は一進一退のチーム状態が続いたが、7月19日から27日まで1分けを挟んで7連勝で勢いをつけると、その後も高い勝率を維持して首位争いを演じるポジションまで浮上してきた。
そしてこの連勝、連敗の波が最も激しいのが4連覇に挑む広島だった。
今季は開幕の巨人戦に1勝2敗と負け越すと、4月9日からのヤクルト3連戦3連敗を含む5連敗もあり開幕16試合で4勝12敗と、大きく負け越しての最下位スタートだった。ところが4月17日からまず8連勝で一気に4位まで浮上。その後も5月11日から11連勝を記録して奪首に成功する。しかし今度は6月28日から再び1分けを挟んだ11連敗の大波に飲まれて4位まで転落。そうして7月19日からは再び破竹の9連勝をマークして、こちらも一気に首位戦線に躍り出た。
この3チーム以外にも、中日は7月7日から8連勝したと思ったら、直後の19日からは8連敗。ヤクルトはスタート直後に1度は首位に立ちながら、5月14日からの悪夢の16連敗をきっかけに最下位に転落すると、そのまま再浮上のきっかけをつかめないままに沈んでしまった。