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甲子園でエースを中6日は可能か。
阪神「死のロード」も同時に解決!?
posted2019/08/04 09:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Asami Enomoto
大船渡高校の佐々木朗希投手が、全国高校野球選手権の岩手大会の決勝戦で登板しないまま敗退したことが、いろいろと話題になっている。
同校の國保陽平監督が「今大会の疲労が大きく、故障を防ぐための判断だった」と試合後に言ったことで理由は明確だし、佐々木投手も「すごくありがたいことだし、その分、自分も将来、活躍したいと思う」と納得しているようだから、それ以上、他人が干渉することではないだろう。
同監督が決勝戦で佐々木投手を登板させなかったのは、登板過多の投手に対して「休養日」や「球数制限」を与えるルールが日本の高校野球連盟に存在せず、高校球児を怪我から守れるのは指導者=自分しかいないという判断から下されたのだと思う。
賛成する声、反対する声、いろいろあっていい。
大事なのは、誰もが納得できるような建設的な意見を皆で作り上げ、どこかの高校球児が犠牲になる前に、素早く実行に移すことだと思う。
高校野球の思想との接点を。
たとえば「休養日」や「球数制限」の先進国アメリカに住んでいる手前、「アメリカの高校野球はこうである」と提示することは簡単なのだが、全国大会=全米大会がなく、日本の秋季大会のように「リーグ戦」と「トーナメント戦」を併用しているアメリカの高校野球のフォーマットを、そのまま日本の高校野球に当てはめて実行するのは難しい。
そういった新しい考えと、今まで日本の高校野球を築いてきた指導者の方々や彼らの支持者、あるいは高校野球OBとして誇りを持つ人々や、高校野球ファンの「甲子園崇拝」や「勝利至上主義」との接点を見出すのは、簡単ではない。
では、賛成派と反対派の接点を求めながら「休養日」や「球数制限」はどのような形で導入するのが理想的で、どれぐらい可能なのか。