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甲子園でエースを中6日は可能か。
阪神「死のロード」も同時に解決!?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAsami Enomoto
posted2019/08/04 09:00
高校生の投球間隔を論じるスタート地点は、大人と同じ「中6日」でなければならない。
5月に予選を始めれば中6日は確保できる。
「40日だろうが、30日だろうが、高校野球の長期開催は都道府県の予選にも影響するので不可能だ」
そうだろうか。
たとえば、都道府県別で181ものチームが参加する神奈川大会。今年は7月7日の日曜日に1回戦が始まり、7月28日の日曜日に決勝戦が行われた。3日の「休養日」を含めれば計22日の日程だ。
地方大会は開催地を「甲子園球場」だけに限定しなくてもいいので、神奈川大会も5月下旬に1回戦を始めることができれば、「中6日」のフォーマットの全国大会の開幕6日前には終了する(神奈川県代表が組み合わせ抽選会の結果、全国大会1回戦に登場する可能性があるので、「中6日」を確保するための考慮は必要だ)。
前述のように「中4日」なら多少は余裕があるので、6月上旬の開幕でも全国大会には余裕で間に合う。
もちろん、それらのシミュレーションは「中6日」にしろ、「中4日」にしろ、雨天中止等の不測の事態が起きないことを前提としているので、予備日等の取り扱いや、その際の「中6日」確保の問題が起きる。
さらに毎週末、甲子園に遠征することになれば、主催者と出場校が捻出しなければならない交通費などの必要経費の負担(甲子園出場で動く金の問題はすでに存在する)が大きくなる可能性もある。
それに高校野球とプロ野球の併催となれば、阪神タイガースだけではなく、日本プロ野球全体への影響も大きいし、グラウンド整備や売店業務など、甲子園球場で働く人々への負担も大きくなるかも知れない。
日程があけば勉強もできるのでは?
夏の全国大会や予選が長期化すれば、春の選抜から地方の春季大会、夏の全国大会の予選から本大会、そして秋季大会へと、ほとんど毎週のように試合が行われて、「過密日程」のように感じるかも知れない。
だが、試合と試合の間に「中6日」や「中4日」もあれば、時間的な余裕は増える。学生の本分である勉強をする時間もたっぷり、生まれる。
試合間隔が空くことで、高校球児の調整方法やトレーニングの方法、リカバリーの方法は変わるだろうし、監督の戦術や選手の起用法、コーチングの仕方まで変わるかも知れない。