マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
今年の甲子園に漂う打撃戦の予感。
地方予選で見た本物の注目野手たち。
posted2019/08/04 11:50
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Kyodo News
今年の夏の甲子園は「第101回」。高校野球の「次の100年」のスタートとなる記念の大会と考えたい。
「100回記念」だった昨年夏の甲子園にも優る記憶に残る大会となることを願いたい。
月が替わって、8月になった。
さあ、「甲子園」の季節がやってきた!
全国から甲子園に参集する49代表に、今年も「逸材」が何人も居並ぶ。
「高校BIG4」などと評された剛腕たちは、その内の3人までが惜しくも予選の大詰めで姿を消したが、それでも、星稜高・奥川恭伸投手が石川県予選を勝ち抜いて、甲子園に駒を進めた。
勝って当たり前……の球場の雰囲気と周囲の重圧の中で、当然のように勝ち進むのは、ノーシードから勝ち上がるのとなんら変わらない「偉業」であろう。心から敬意を表したい。
この夏の甲子園は、「打ち合いの甲子園」になりそうだ。出場校の中に、全国レベルの高い技量を持つ強打者、巧打者が何人も顔を揃える。
ここでは、この夏の各地の甲子園予選から、この目で確かめてきた「本物の注目株」を「野手」に絞って挙げてみたい。
安田尚憲を超えた予選4ホーマー。
履正社・井上広大外野手(3年・187cm92kg・右投右打)が本物の長距離砲になってきた。
大阪府予選での「4ホーマー」は、一昨年のドラフト1位で千葉ロッテに進んだ安田尚憲選手の「予選3弾」を超えた。
予選が終わった段階で通算46弾。練習試合でも強敵とばかり対戦してきたことを考えたら、立派な「実績」に違いない。