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久保建英はW杯予選に呼べるのか。
レアルでの競争と、代表での優先度。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2019/07/19 17:30
コパ・アメリカで存在感を放ち、レアルでのトレーニングキャンプも順調と伝えられる久保建英。W杯予選でもその雄姿を見られるか。
日本にとって悪くない日程と相手。
その中で日本は組み合わせに恵まれた。キルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴルは、すべて明確な格下である。
スケジュールも悪くない。9月5日のマッチデイ1をスキップしてパラグアイとテストマッチを行なうことで、6月以来の活動がいきなり公式戦になることを回避した。マッチデイ2で対戦するミャンマーを、マッチデイ1でスカウティングすることもできる。
また、来年6月のラスト2試合をホーム開催としたことは、順位確定がこのタイミングまでもつれた場合に意味を持つ。スケジュール的にもしっかりしたバックアップ体制を整えた。
日本にとってはなじみの薄い国ばかりで、アウェイでの対戦は蓄積された経験が少ない。とはいえ、日本サッカー協会の指導者海外派遣プログラムで、ミャンマーで2018年5月からアカデミー監督を、タジキスタンで今年2月からU-17代表アシスタントコーチを、それぞれ日本人指導者が務めている。
モンゴルでも今年2月からU-16・U-19女子代表監督を、日本人の女性指導者が担当している。移動手段の煩雑さや気候などが過酷と言われるが、彼らを介して現地での受け入れ態勢を充実させることはできるだろう。
森保監督はどうチームを編成するか。
さて、日本代表の森保一監督は、どのようなチームを編成していくのだろうか。
国際AマッチがW杯予選でほぼ埋められていく現状を考えると、その時々でベストの布陣を編成しながらチームを磨き上げていくのがベターだ。一方で、彼我の力関係を踏まえればチームの底上げを同時進行で求めることもできる。
所属クラブで定位置をつかみ切れていない海外組がいれば、クラブでの活動に集中してもらうために部分的に招集を見送ってもいい。その代わりに、コパ・アメリカでアピールをした東京五輪世代を随時招集していくのである。
久保建英は招集するべきだろう。
コパ・アメリカでのパフォーマンスは、代表定着への足がかりとなるものだった。潜在能力を出し切った末の高評価ではなく、余白を残しながらプレーしている印象がある。