Jをめぐる冒険BACK NUMBER

遠藤航が語る欧州2年目と森保J。
「残された時間は多くないけど」

posted2019/08/09 11:50

 
遠藤航が語る欧州2年目と森保J。「残された時間は多くないけど」<Number Web> photograph by Atsushi Iio

ベルギーでインタビューに応じてくれた遠藤航。言葉の節々に日本代表、海外組としての自覚を感じさせる。

text by

飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

PROFILE

photograph by

Atsushi Iio

 現在の日本代表で、中盤の主力へと成長した遠藤航。アジアカップでは柴崎岳とコンビを組んで活躍したものの、ケガで途中交代した準決勝イラン戦以来、代表のユニフォームに袖を通していない。ただ負傷前は、シント・トロイデンで出場機会を得ているなど実力も確かとされ、森保一監督にとって欠かせないピースの1人と見なされていた。そんな遠藤は、2019-20シーズンに臨むにあたってどうプレーしようと考えているのか――。組み合わせが決まったカタールW杯・アジア2次予選への意気込みも含め、ベルギーの地で自身の現在地を縦横無尽に語ってくれた。

――7月17日にカタール・ワールドカップ・アジア2次予選の組分けが決まりました。キルギス(FIFAランキング95位)、タジキスタン(同120位)、ミャンマー(同138位)、モンゴル(同187位)と同組になりましたが、どんな印象を持ちましたか?(日本は同28位)

「対戦相手に関しては確認した程度ですけど、いよいよ始まるな、という想いが湧いてきましたね。4年前にも2次予選を経験しましたけど、あの頃は自分のことで精一杯。とにかく代表に入り続けたいという想いが強くて。でも今回は、中心選手としてワールドカップ出場を決めたいと思っているので、楽しみですね」

――1月のアジアカップ準決勝のイラン戦で負傷して以来、代表からは遠ざかっています。3月や6月の親善試合、6月のコパ・アメリカをどう見ていました?

「自分が入ったらどんなプレーができるかな、という目線で見ていましたけど、やっぱりコパは出たかったな、っていうのが正直なところですね。チリとかウルグアイと真剣勝負ができる機会って、そんなにないですから。

 そのなかで、若い選手たちが自分の良さを出しながら頑張っていて、刺激を受けました。一方で、善戦しながら勝てなかったのも事実。あれだけの内容のゲームをやった以上、勝ち切れるようにならないと、ワールドカップ本大会では勝ち進んでいけない。そんなことも感じました」

柴崎岳の姿勢に刺激を受けて。

――コパ・アメリカでは同級生である柴崎岳選手がキャプテンマークを巻き、リーダーシップを発揮してチームを牽引していました。若い選手たちにも積極的に話し掛ける姿は、川島永嗣選手が感心するほどでした。そうしたリーダーシップは、遠藤選手にも求められるものです。

「そういった岳の姿勢は、昨年、森保(一)さんの代表チームが発足して以降、僕も感じてました。僕自身ももっと存在感を出して、チームを引っ張っていかないといけないと思う一方で、しっかり選ばれ続けて、チーム内での立ち位置を確立させないといけない、という想いもありますね」

――アジアカップまで柴崎選手とボランチを組み、中心選手として戦ってきた。それでも、チーム内での立ち位置を確立させないといけない、という想いがあると。

「ありますね。僕はどちらかと言うと、そういう考え方をするタイプというか。たとえ試合に出続けていたとしても、謙虚にやらなきゃいけないと思っているし、少しでも調子を落としたら、代わりはいくらでもいるという危機感もある。これまでも、そういうスタンスで自分は成長してきたと思っていて。もちろん、『自分が中心だ』くらいのことを言って責任を負うのも大事だと思うので、責任と謙虚さの両方を持っていたいですね」

【次ページ】 アジアのレベルは上がっているけど。

1 2 3 4 5 NEXT
#遠藤航
#シント・トロイデン
#シュミット・ダニエル
#鈴木優磨
#冨安健洋

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ