Jをめぐる冒険BACK NUMBER
遠藤航が語る欧州2年目と森保J。
「残された時間は多くないけど」
posted2019/08/09 11:50
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Atsushi Iio
――7月17日にカタール・ワールドカップ・アジア2次予選の組分けが決まりました。キルギス(FIFAランキング95位)、タジキスタン(同120位)、ミャンマー(同138位)、モンゴル(同187位)と同組になりましたが、どんな印象を持ちましたか?(日本は同28位)
「対戦相手に関しては確認した程度ですけど、いよいよ始まるな、という想いが湧いてきましたね。4年前にも2次予選を経験しましたけど、あの頃は自分のことで精一杯。とにかく代表に入り続けたいという想いが強くて。でも今回は、中心選手としてワールドカップ出場を決めたいと思っているので、楽しみですね」
――1月のアジアカップ準決勝のイラン戦で負傷して以来、代表からは遠ざかっています。3月や6月の親善試合、6月のコパ・アメリカをどう見ていました?
「自分が入ったらどんなプレーができるかな、という目線で見ていましたけど、やっぱりコパは出たかったな、っていうのが正直なところですね。チリとかウルグアイと真剣勝負ができる機会って、そんなにないですから。
そのなかで、若い選手たちが自分の良さを出しながら頑張っていて、刺激を受けました。一方で、善戦しながら勝てなかったのも事実。あれだけの内容のゲームをやった以上、勝ち切れるようにならないと、ワールドカップ本大会では勝ち進んでいけない。そんなことも感じました」
柴崎岳の姿勢に刺激を受けて。
――コパ・アメリカでは同級生である柴崎岳選手がキャプテンマークを巻き、リーダーシップを発揮してチームを牽引していました。若い選手たちにも積極的に話し掛ける姿は、川島永嗣選手が感心するほどでした。そうしたリーダーシップは、遠藤選手にも求められるものです。
「そういった岳の姿勢は、昨年、森保(一)さんの代表チームが発足して以降、僕も感じてました。僕自身ももっと存在感を出して、チームを引っ張っていかないといけないと思う一方で、しっかり選ばれ続けて、チーム内での立ち位置を確立させないといけない、という想いもありますね」
――アジアカップまで柴崎選手とボランチを組み、中心選手として戦ってきた。それでも、チーム内での立ち位置を確立させないといけない、という想いがあると。
「ありますね。僕はどちらかと言うと、そういう考え方をするタイプというか。たとえ試合に出続けていたとしても、謙虚にやらなきゃいけないと思っているし、少しでも調子を落としたら、代わりはいくらでもいるという危機感もある。これまでも、そういうスタンスで自分は成長してきたと思っていて。もちろん、『自分が中心だ』くらいのことを言って責任を負うのも大事だと思うので、責任と謙虚さの両方を持っていたいですね」