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急増するJ監督の途中交代は効果的?
1試合平均獲得勝ち点を比べてみた。
posted2019/07/12 11:45
text by
渡辺功Isao Watanabe
photograph by
Getty Images
「監督には2通りしかない。クビになった監督と、これからクビになる監督だ」
もはやサッカー界の格言となった感すらあるこの名セリフは、リーズ・ユナイテッドの監督として、1991-92シーズンのイングランド1部リーグで優勝、イングランド代表の臨時監督も務めたハワード・ウィルキンソンによるものだ。
Jリーグもご多分にもれず。J1は年間34試合のリーグ戦前半が終了。J2、J3は間もなく折り返しを迎える時期ではあるが、すでに多くのクラブで監督交代が行われている。
J1のヴィッセル神戸、サガン鳥栖、清水エスパルス、浦和レッズ、ジュビロ磐田。J2ではジェフユナイテッド市原・千葉、アルビレックス新潟、横浜FC、アビスパ福岡、FC岐阜の合計10クラブが、それぞれ新指揮官の下、捲土重来を期している。
昨年、設立以来最多となる7件ものシーズン途中の監督交代が行われたJ3こそ、今年はまだ無風だが、J1、J2における交代ペースはすでに昨年を上回っている。
途中交代が増えた複合的な理由。
いまから10年前、'09年にシーズン中の監督交代を行ったのは、J1、J2を合わせて6クラブだった。翌'10年が5クラブ、'11年も4クラブに過ぎなかった。それが'14年になると、10クラブが途中交代を行なうようになり、翌'15年以降も10、8、10、9と、2ケタ前後を推移している。
増えた理由については、監督候補者(指導ライセンス保持者)の増加、海外の情報網や代理人ネットワークの充実。いわゆる「DAZNマネー」による賞金の大幅アップや、J3との入れ替え制の導入によって、目先の成績がよりシビアに求められるようになったこと、などと推測できる。
'09年から昨年までの10年間に、シーズン途中の監督交代が最も多かったのは神戸と大宮アルディージャの6回(昨シーズンの林健太郎監督のような、前任監督と後任監督の間に、暫定的に短期間指揮した監督を挟んだケースは、2回ではなく1回の交代とカウントした)。
神戸に関しては、今年すでに2回の途中交代を行ったのはご承知の通りだ。