フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ISUが審判の倫理規定に大鉈!
北京冬季五輪のフィギュアにも影響。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU via Getty Images
posted2019/07/08 11:15
2002年のソルトレイクシティ五輪の採点疑惑などを契機に、昔からフィギュアスケートの採点方法は改善を重ねてきてはいるのだが……。
各国の連盟会長はジャッジとして参加禁止。
もう1つの大きな項目は、各国のスケート連盟の会長など幹部が採点に加わることを制限するルールである。
平昌オリンピックでは、カナダのスケート連盟会長がアイスダンスのジャッジパネルに入っていた。彼女は優勝したカナダのヴァーチュー&モイアの最大のライバルであったフランスのパパダキス&シゼロンに、全ジャッジ中もっとも低い点を出したことが、欧米のメディアから大きく批判された(もっとも彼女の採点を削除しても、最終結果に変わりはなかったが)。
今回の倫理規定改定では、各国連盟の会長および副会長、事務局長およびスポーツディレクターは、役職についている間は、GPシリーズ、ISUチャンピオンシップス、オリンピックにてレフリー、技術パネル、ジャッジとして従事することを禁止するという項目が入っている。
次の北京オリンピックにも影響必至!
もう1つは、日本にも大いに関係のあることである。
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オリンピック前年の世界選手権で、トップ5位に入った選手、あるいはオリンピックでトップ5に入ると予想される選手と同じ国に所属するレフリー、技術パネルは、翌年の冬季オリンピックのその種目に任命されない。
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これによると、次の北京オリンピックではおそらく男女シングルともに、日本、アメリカ、ロシア出身の技術パネルおよびレフリーは任命されないということになるだろう。
もっとも平昌オリンピックでも、男女シングルともに日本人のレフリー、技術パネルは入っていない。それでも羽生結弦が金、宇野昌磨が銀という素晴らしい結果を出した。誰もが納得できる演技を選手が見せたなら、判定側の国籍は関係ないということの証明である。
だがこれまで、必ずしもこうした納得のいく結果ばかりではなかった。