スポーツ百珍BACK NUMBER
セナ、ジョーダン、ベッカム、ボルト。
平成の日本が愛した海外スターたち。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2019/04/30 17:00
F1ブームの象徴だった「音速の貴公子」ことアイルトン・セナ。1994年、レース中の事故で帰らぬ人となった。
無敵の強さを誇ったグラフ、タイガー。
<平成6年~10年(1994~1998年)>
アンディ・フグ、ピーター・アーツ(K-1)、ヒクソン・グレーシー(総合格闘技)、マイク・ピアザ、マーク・マグワイア、サミー・ソーサ(MLB)、タイガー・ウッズ(ゴルフ)、マルチナ・ヒンギス、シュテフィ・グラフ(テニス)、ロベルト・バッジョ、エリック・カントナ(サッカー)、マイケル・ジョンソン(陸上)
メジャーリーグ、欧州サッカー、K-1を筆頭にした格闘技……野茂英雄やカズといった日本人アスリートが海外で戦う中で、日本人がその競技のトップオブトップを目の当たりにすることになった。その代表格はグラフだ。
1996年(平成8年)のウィンブルドンで伊達公子が勝ち上がり、準決勝でグラフと対戦した。伊達のペースで試合は進んだものの、日没により翌日に順延。NHKがゴールデンタイムで生中継する異例の注目度だったが、最終的にはグラフが勝利。女王のプライドを見せつける形となった。
ゴルフ界で世界的なスーパースターとなったのは、ウッズだ。1997年(平成9年)のマスターズを大会史上最年少の21歳3カ月で制覇。赤いポロシャツ、タイガーチャージが瞬く間に代名詞となったヒーローが、平成が終わりを迎えようとした2019年(平成31年)のマスターズで復活を果たすのだから、何か縁を感じる。
日韓W杯のベッカムフィーバー。
<平成11年~15年(1999~2003年)>
デイビッド・ベッカム、ジネディーヌ・ジダン、ロナウド、オリバー・カーン(サッカー)、イアン・ソープ(競泳)、ミハエル・シューマッハー(F1)、バリー・ボンズ、デレク・ジーター、ランディ・ジョンソン(MLB)、ボブ・サップ(K-1)、ミシェル・クワン(フィギュア)、セリーナ・ウィリアムズ、ビーナス・ウィリアムズ(テニス)、コービー・ブライアント、シャキール・オニール(NBA)、ザ・ロック(プロレス)、リディア・シモン、エリック・ワイナイナ(マラソン)
この時期の最大のスポーツイベントと言えば、やはり2002年(平成14年)日韓W杯は外せないだろう。その中で大フィーバーとなったのは、カメルーン代表がなかなか来ない大分県中津江村……もそうだが、ベッカムだ。
端整なルックスと鮮やかな軌道を描くクロス、そしてハードワークもいとわない泥臭さ……それこそ日本中が夢中になった。4年前のフランスW杯ではアルゼンチン戦で退場し、日本での再戦でPKを決める、というストーリー性も最高だった。
心底どうでもいい余談だが、筆者もソフトモヒカンにした。それほどまでに日本全国でベッカムブームが来ていたのだ。なおトルコの“ちょんまげヘアー”のイルハン・マンスズ、韓国代表のアン・ジョンファンもイケメンで人気を博した。