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Bリーグ最高勝率から悲願の頂点へ。
ジェッツが3年間で得たものは……。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byB.LEAGUE
posted2019/04/26 08:00
4月14日にアルバルク東京戦を制し東地区優勝を決めた千葉。CSの初戦は4月27日、ホームの船橋アリーナで行われる。
富樫も「優勝しなければ」と決意。
司令塔である富樫勇樹はこう話す。
「激戦の東地区で、Bリーグの最高勝利数を記録できたという嬉しさはあります。もちろん、その嬉しさはありますけど……やっぱりCSで勝って、優勝しなければいけないという気持ちが、すごく強いんです」
4月27日の富山グラウジーズとのCS準々決勝からシーズン最後の戦いが始まる。レギュラーシーズンの成績から予想すれば、準決勝では1年目のCSで屈した栃木ブレックスとの対戦になる可能性が高い。
それでも、彼らには3年弱かけて築いてきた、苦境でも耐える力、そして「レジリエンス」がある。
そして、彼らの戦いに刺激を受け、成長をうながされたファンやブースターがいる。
リーグ最高成績ということもあり、準決勝までは大声援が期待できるホームで戦える。もちろん、中立地で開催されるファイナルに進んでも、リーグ最多のファンによる数の後押しが期待できるだろう。
10月から半年強かけて戦ってきたレギュラーシーズンで勝ち取ったものが、悲願のリーグタイトルへ向けてのアドバンテージとなる。
結果を残せば、プロセスに光が。
Bリーグが開幕してからのジェッツは“勝つことだけを目標とせずに”、それと同時に1つでも多くの試合に勝とうとしてきた集団である。
スポーツを表層的にしか、とらえない者にとっては奇妙に映るかもしれない。それでも、ジェッツにかかわる者たちは本気で、バスケットボールを通してファンや地域の人々の心に何かを残そうとしてきた。
皮肉なのは、どんなに正しいプロセスを踏んだとしても、勝敗で評価されてしまうのがスポーツの宿命ということである。優勝のような目に見える結果を残さなければ、そのプロセスを評価する声が思いのほかに聞かれないことも多々ある。
それでも――。
結果を残したときには、プロセスに光があたり、評価される。そのプロセスとストーリーに、見る者は心を揺さぶられる。それがバスケットボールの、そしてスポーツの魅力であるのもまた事実だ。
そしてジェッツとは、そんなスポーツクラブの理想を求め、戦う集団なのである。