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Bリーグ最高勝率から悲願の頂点へ。
ジェッツが3年間で得たものは……。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byB.LEAGUE
posted2019/04/26 08:00
4月14日にアルバルク東京戦を制し東地区優勝を決めた千葉。CSの初戦は4月27日、ホームの船橋アリーナで行われる。
「大切なのは『習慣』だと思う」
「僕も選手に教えられることがありますから」と大野HCは、練習中もゲーム形式の前、途中、終わった後に選手同士で考え、話し合う機会を意識して設けてきた。
「選手たちが“話さざるを得ない状況”を作ろうとして来たという感じですかね。大切なのは『習慣』だと僕は思っている。例えば、初めて自転車に乗ったときには、右を見て、左を見て……と意識して、いろいろなものに注意を向けていかないといけないですよね?
でも慣れてくると、行動の自動化というか、ほぼ無意識で注意しないといけないところに目を向けるようになります。だから、このチームでも、そうやって話していくことを『習慣』にしたいという想いがありました」
普段から話し合うことで戦い方への理解が深まる。色々なケースを練習から想定していくことで、試合中の対応力も上がる。コミュニケーションを密に取ることによって、チームの団結は強固なものになる。
その積み重ねこそが、試合のなかで苦しい場面に出くわしたとき、支えになるのだ。
エネルギーを与えられる存在に。
大野がHCに就任してから3年目を迎えた。チームのスローガンというのは、どのチームでも年々変わっていくのが通例だ。しかし大野は「Be Professional」というスローガンを変えなかった。1年目よりも2年目、2年目よりも3年目の方が、よりプロらしい姿勢を体現しないといけないと求めてきた。
その裏には、Bリーグ開幕前に大野へHCのオファーを送った佐藤博紀GM(当時GM補佐)との約束がある。
「俺たちは『ジェッツの試合を見て元気になった、エネルギーをもらった』という存在にならないといけない」
その夢があるからこそ選手に、プロはどういうメンタリティや責任感を持つべきかを強く求め続けた。それがあったからこそ、今ではアリーナに詰めかけるファンやブースターの心に響くようになった。彼らは同じゲームを戦う同志のように、自発的に声援を送るようになったのだ。
Bリーグ開幕にあわせてチームを再構築するときに掲げた理想へ、少しずつだが確実に近づいている。だからこそ、念願のBリーグのタイトルを勝ち取らないといけない。