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「絶対無理」のイチローより可能性大?
日本人初のメジャー監督を目指す男。
text by
宮寺匡広Masahiro Miyadera
photograph byTakashi Miyoshi
posted2019/05/06 09:00
左から、エリザベストン・ツインズのコーチであるジェフ・リードと三好貴士、監督のレイ・スミス。
ツインズ入団時の奇妙な面接。
入団に際し、ツインズは三好に面接を課した。
「指導者としてツインズに入ったら、チームの環境を変えるためにどういう影響を組織に与えられるか」という質問に、三好は次のように答えた。
「私は、勝てる環境を作ることができます。選手が納得するよう、常に根拠を持ったコミュニケーションを心がけてきました。自分の経験や選手の成績、相手チームの情報などをすり合わせて、交代した理由やベンチから外した意図を選手たちに話してきました。経験の浅い選手には自分が目線を下げ、理解してもらえるように努めました。
こうした行動の積み重ねによって選手たちの信頼を得て、その結果、チームの結束力が高まり、チームを優勝へと導くことができました」
他にも「最近読んだ本2冊から、何を学んだのか」など、一見野球と関係のなさそうなユニークな質問まで出された。そこには多様な人材を獲得したいという球団の思惑があった。
「球団は“ダイバーシティ”を求めていた」
「実際、私みたいなキャリアの人間がツインズでコーチをやることは、とても稀なことです。球団は人材の“ダイバーシティ(多様性)”を求めていました。今まではずっとメジャーでやってた選手を、監督やコーチにするのが普通だったけど、そういう時代じゃない、と。バックグラウンドが違う人たちをたくさん集めた方が、組織も強くなる。
その分、個人の差異が出るけど、その差異を埋めるためのコミュニケーションをとれば、そっちの方が絶対強くなると、マイナーリーグ・ディレクターは話していました」
ツインズには、かつてNFL(アメリカン・フットボールのリーグ)に所属していたスタッフもいて、人材の多様性がうかがえたという。