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ユベントスへ旅立つ“ランボー”。
復活&EL制覇の劇的結末はあるか。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byUniphoto Press

posted2019/04/21 08:00

ユベントスへ旅立つ“ランボー”。復活&EL制覇の劇的結末はあるか。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

EL準々決勝第2戦ナポリ戦で負傷退場したラムジー。アーセナルは決勝まで駒を進め、「ランボー」のフィナーレを演出できるか。

怪我にもポジションにも泣かされた。

 ラムジーに関しては、潜在能力が完全に開花することなく年齢的なピークを迎えたとの見方があった。アーセナルでのハイライトとして思い浮かぶのは、3度あるFAカップ優勝経験のうち、2014年と'17年の決勝でチームに優勝をもたらしたゴールだ。リーグ戦でも、4月15日のワトフォード戦(1-0)までの通算262試合で、計40ゴール・46アシスト。MFとしては十分な数字を残している。しかし、リーグ優勝の味を知らず、成功の立役者という印象までは持たれていない。

 その原因として、9年前に負った右足の脛骨腓骨骨折から筋肉系の異常まで、度重なる怪我があったことは間違いない。さらには、チームが彼本来の実力を引き出せなかった感も否めない。エメリ体制下では、トップ下か2ボランチの1枚が定位置。本人にとっては前すぎたり、後ろすぎたりする複数ポジションを任される傾向は、昨季までのアーセン・ベンゲル体制下でも見られた。

 もちろん、それはオールラウンドな能力の持ち主だからである。身長は170cm台だが十分なフィジカルの強さを備え、ピッチ上での走行距離はチーム随一。高度な技術と視野の広さを持ち合わせ、果敢にプレッシングをかける一方でゴール前での嗅覚も鋭い。それがラムジーという選手だ。

ラムジーに最適な「ナンバー8」。

 しかし、一軍に定着して間もない頃から「ナンバー10のタイプじゃない」と言っていた本人の好みは、一昨季から背負う「ナンバー8」のポジション。外野の目にも、中盤からレンジの広いパス能力を生かして味方を前方へ押し上げつつ、自らも攻め上がって得点に絡むプレーが最大の特長と映る。

 プレミアを代表する8番と言えば、元チェルシーのフランク・ランパードがいる。

 ラムジーは2桁台の得点数が当たり前だったランパードに決定力で劣るかもしれないが、前線で得点機を創造するラストパスのセンスでは勝っているように思える。もしも今季のチェルシーに彼がいたら、4-3-3を絶対的なシステムとし、中盤深部のプレーメイカーの手前に得点力のある選手を並べたいマウリツィオ・サッリ監督は、エンゴロ・カンテではなくラムジーに定位置を与えていたことだろう。

【次ページ】 来季からはC・ロナウドと競演。

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